最近毎日のように話題がつきませんね。
今日は稲田防衛大臣にスクープが報道されました。
複数の政府関係者によると、稲田氏は2月中旬、陸自内の文書の存在について協議した省内の幹部会議に出席。会議では、情報公開請求に「廃棄した」としていた昨年7月の日報が陸自内に電子データとして保管されていたことについて対応を協議した。その際、「隊員個人が収集したデータであり、公文書ではない」との認識を共有。最終的に、公表しないことが決まったという。
この件に関して稲田防衛大臣は否定しています。
ただこの記事を見て、
「そういえばそういう話もあったな。けど今回何が問題になってるかいま いちわからん」
という方もいらっしゃると思うので、そもそもこの問題はどういう問題かについて、ごちゃごちゃ難しい話はせずに簡単に改めて見ておきたいと思います。
7月28日、追記あり。(記事末尾)
日報問題
そもそも日報問題ってなんだっけ?という方も多いと思います。
去年10月、ジャーナリストの男性が、2016年7月7日から12日までに作成した日報の開示請求を行ったことからのこの話は始まりました。
そして、情報開示請求に対して、昨年の12月に「すでに廃棄したものである」として、「不開示」という決定がなされたわけです。
しかしその後、稲田防衛大臣の再調査の指示や、自民党の閣僚経験者が「あるはずだ」として再調査を求めたところ、12月26日に電子データが陸自とは別の、統合幕僚監部に残っていたことが判明するわけです。
にもかかわらず、この文書が発見されたことが稲田防衛大臣に伝えられたのは1ヶ月後の1月27日でした。
そしてその後日報は、2月7日に公開されました。
稲田防衛大臣に伝わるのが1ヶ月後ということで、文民統制いわゆるシビリアンコントロールといった意味で問題があるのではないかと、野党から批判されていました。
このように防衛省は陸自とは別の統合幕僚監部で見つかったとしてきたわけです。
しかし、その後1月17日に陸自の隊員が個人的に日報をダウンロードをして保存していたことも判明します。
さらに上層部に報告されており、そのことに気づいていたということも、3月に報道で判明したわけです。
陸自内にもデーターが保管されていたことにも気づきながら、「陸自にデータは存在しない」としてきたことが発覚したわけです。
日報をすでに公開済みとはいえ防衛省の隠蔽体質という意味でも批判を浴びました。
稲田防衛大臣はこれらを受けて、特別防衛監察の実施を指示しました。
これは元検事の方も入って組織的な隠蔽はなかったのか、徹底的に問題を解明するということです。
ということで、防衛省が不開示にしたけど、稲田さんが指示して見つかった。
その後陸自にあったことを隠蔽しようとしていた事実が発覚して、稲田さんが特別防衛監察を指示したという事件になっています。
「戦闘」云々の話は今回とは関係ないので省きます。
気になる人はお調べください。
今回の問題
ということでやっと今回の報道に入るわけです。
今回の報道は、陸自内に文書が存在していたことを公開しないようにしたことは、2月15日に幹部で会議をして決めたことで、なんとそこに稲田防衛大臣も出席して、了承していたということなわけです。
一応2月7日に日報は公開しているので、日報そのものを公開しないという意味ではありません。
日報そのものは同じデータなのですが、陸自に残っていたことを、個人のデータとして公開しないか、行政文書で公開すべきかと言ったことを検討した内容だという報道です。
とはいえびっくり仰天ですよね。
稲田防衛大臣は、国会でも、隠蔽しようとしていたことを知らなかったと答弁されているわけで、虚偽答弁ということになりますし、特別防衛監察を指示したなんていうのが自作自演の茶番であるということも言えるわけです。
これが本当なら由々しき事態です。
即辞任は免れないでしょう。
本当ならば。
真偽について
ただしこの報道に関しては真偽が明らかになっていません。
このことに関して稲田防衛大臣は否定しています。
さらには、会議に出席したと報じられた黒江事務次官は「稲田氏が非公表を了承した事実関係は無いと思う」と否定しました。
また、豊田官房長も2月15日に会議があったかどうかについて、「わたしの記憶では絶対に無いはずだ」と強く否定しました。
ということで、稲田防衛大臣が了承したことはない、そもそも会議があったかどうかも不明であると、出席者である幹部二人が証言しているわけです。
大臣も報道されている緊急会議がなかったとおっしゃっておられます。
ということで、このことが本当であるか全くわかりません。
今後野党はこの件に追求していくことでしょう。
さらに月内に出されると言われている、特別防衛監察の結果で詳しく実際の実情に関する真実が示されることになるでしょうから、今の段階の真偽不明な情報で稲田防衛大臣の進退云々を語るのはどうなんだ思わざるをえません。
終わりに
ということで、今回の記事は、本当かどうかわからないけど、本当だったら大変なことだなという内容でした。
真偽も確定していない状況の中で、テレビをはじめとするメディアは大大的に取り上げています。
私も昼にひるおびの政治ニュースを見ていたのですが、このことをでかでかと報じていました。
そこでも田崎さんが、
本当かわからないですし、特別監察の結果を待たずに軽々に語るのはどうなのか
と正論を語っておられましたが、番組としては、まるで稲田の首を取ったかのごとくの報道でした。
当然事実か確認することは大切で、事実と判断されるまでは、当事者が否定されているわけですから、その進退がどうこうという報道はいかがとは思いました。
そして、報道が本当だとしても、上述の通り日報そのものを隠蔽しようとしたことではないのですが、まるで日報の公開そのものを稲田防衛大臣が阻止したかのような印象を受けたのは私だけではないはずでしょう。
閉会中審査でも野党は厳しく追求することになるでしょう。
追及の結果、そして特別防衛監察の結果に注目したいと思います。
追記
7月27日、陸幕長、防衛事務次官が辞任の意向を固めているとの報道が出ました。
28日とも言われる特別防衛監察の結果の公表に注目が集まります。
さらにはその結果を受けて、外交防衛委員会など、関連委員会も行われる予定です。
これまた注目が集まります。
追記
27日19時ごろ、稲田防衛大臣が辞任の意向を固めたことが報道されました。
28日追記
特別防衛監察結果公表。その結果について。
日報問題そもそも論について(29日)