本日18日、民進党の蓮舫代表が、自らの二重国籍問題に関して会見を開きました。
日本国籍の選択宣言日が「平成28年10月7日」と明記された東京都目黒区役所発行の戸籍謄本、台湾の行政府が発行した台湾籍の離脱証明書、今回離脱手続きのため台湾側に提出した台湾のパスポートなど数点を公開されました。
そして、二重国籍ではないということを証明されたのですが、なんとなくもやもやが残る会見となりましたので、少し触れておきたいと思います。
蓮舫代表は二重国籍ではない
こんかいの離脱を証明する戸籍謄本、離脱証明書などで、蓮舫氏が今現在二重国籍状態でないことは証明されました。
ここで見えるように、国籍選択の日付は平成28年10月7日ということです。
つまり平成28年10月7日以降は蓮舫代表は二重国籍ではないことは明らかになったと言えるでしょう。
故意ではないと繰り返す蓮舫代表
この書類で、現在蓮舫代表が二重国籍でないことが明らかになると同時に、10月7日以前は二重国籍状態であったことが改めて明らかとなりました。
このことに関して、以前も記事で触れましたが、国籍法上の問題、そして選挙を虚偽の情報で戦ったのではないかという、違法性の疑いが存在するわけです。
当然会見でも質問が出て、それに関して蓮舫代表は、
「故意ではなくて、過失です」
という趣旨のことを何度もおっしゃいました。
ここで誤解を恐れずに言います。
私は、この違法性の疑いに関しては、そこまで大きな問題ではないと考えています。
もちろん蓮舫代表が違法かもしれない状態を招いたことは問題ですが、法務省の見解もいまいちはっきりしない、国と認めない台湾との複雑な関係、そして罰則規定がなく、豪州と違って二重国籍者が議員になることを禁じていない(存在しない前提ですから当然なのですが)現在の法では、蓮舫代表の違法性、責任を追求することは極めて難しいと言わざるをえないでしょう。
水掛け論になりかねません。
私は、かねてより、二転三転の説明こそ問題であると申してきました。
そうした意味で考えても、違法性があるのではと質問する記者に対して、まるで故意ではないから、理解してくれよと言わんばかりの蓮舫代表の発言は疑問でしかありませんでした。
はっきり言って、今回の故意ではなければ違法性の疑いも仕方ないとも取られかねない発言は、反省の意を示し、謝罪をするという会見の趣旨からも大きくずれた発言であると断ぜざるをえないと思います。
差別を助長させないという発言
そして、今回の戸籍の公開に至っては、「差別」を助長するという論説があったことも事実でしょう。
それに乗っかってというと表現が悪いかもしれませんが、蓮舫代表は再三今回のことが前例になってはいけない、差別につながってはならないとおっしゃいました。
これまたことの本質を理解しておられないと感じさせる発言でした。
蓮舫代表がおっしゃっている通り、今回の件が問題となっているのは、蓮舫氏が国会議員であり、なおかつ野党第一党の党首であるから、そして二転三転の説明のせいに他なりません。
そんじょそこらの一般人に広がるといった問題が生じるとは到底考えられません。
現に小野田議員が戸籍の該当部分を公開して、戸籍を公開する風潮が広まったということもないわけですし。
それを差別に屈するわけにはいかないだの、私は多様性の象徴だのいうのであれば、そもそも今回の会見をやる必要はなかったのではないでしょうか。
疑惑発覚当時と同様に戸籍の開示を行わずにこのままやっていけばよかったわけですから。
それがまずかった、反省しているからという意味で今回の会見を開いているのであれば、蓮舫代表の発言は潔さに欠ける、もやもやが残るものと言わざるをえないでしょう。
子供を前面に押し出す
さらに、蓮舫代表は、疑惑当時に戸籍を開示せずに、今開示する理由について、何度も子供が未成年だったからだとおっしゃいました。
しかし、記者が指摘されていた通り、今回の開示でも、子供の部分に関しては完全に隠されており、今回の開示で子供のプライバシーに関して何らかの問題が生じるとは到底考えにくいわけです。
蓮舫代表はこのことに関して、
「隠されてるとはいえ、母親として慎重にならざるをえないことは理解してください」
と発言されておられました。
当然母親として、子供のプライバシーに敏感になる気持ちは理解いたします。
しかしながら、このように子供の部分に関しては、完全に隠されており、プライバシーを侵害しようがないのは明白ではないでしょうか。
一般的に考えても、今回の開示が戸籍全体ならいざ知らず、該当部分だけで他は白塗りという状況で、子供のプライバシーがと言われても全くピンとこないのではないでしょうか。
どうしても子供がというのならば、そこを切り抜いてもいいわけですから。
にもかかわらず、子供のプライバシーを理由にする蓮舫氏の発言には、もやもやした気持ちが残らざるをえないのではないでしょうか。
言い方は悪いですが、子供をだしにという印象を持つ方もおられるのではないでしょうか。
党の代表として
そして、母親として子を思う気持ちはわかりますが、蓮舫代表は党の代表であり、その行動は民進党の数多くの党員の人生に影響すると言っても過言ではありません。
そのなかで、疑惑発生当時に戸籍を開示しなかった理由に関して、子供を理由とするのは、党よりも自分の都合を優先したと取られても仕方ない面もあるのではないでしょうか。
その理由が合理性のあるものならいざ知らず、上にも書いた通り、完全に隠れておりプライバシーの問題という理由に疑問を抱かざるをえない状況ではなおさら。
ともかく、子供を理由の前面に出す蓮舫代表の説明にもまた、潔さといったものを感じなかったことは事実です。
国籍を考えたことがなかった
そしてもっとも、もやもやが残るのがこの章です。
蓮舫代表は、17歳の時に日本国籍を取得し、その後父が台湾籍を離脱したと信じており、それ以降国籍に関して考えたことがなかった。
と発言されました。
これを聞いた瞬間
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というのが脳裏をよぎった方は少なくないのではないでしょうか。
twitter上で、民進党を支持しておられる方もこの発言には疑問を投げかけておられました。
なぜかといえば、蓮舫代表は政治家になる前のタレント活動時代に、複数の雑誌のイニンタビューで、
「自分の国籍は台湾」「二重国籍なんですよ」
などの発言をされているわけです。
他のインタビューに関してもネットで見れるので気になる方は検索してみてください。
17歳の時から国籍を考えたことがなく、台湾籍は離脱していると信じているという発言というのは、こういった過去の発言と全く相反する発言なわけです。
当然記者からも突っ込まれた、蓮舫代表は
「混同して発言した。浅はかな発言だった」
と釈明されました。
しかし、国籍に関する相反する発言が複数出てくる中で、混同して発言したんだというのは、説得力を欠く説明ではないでしょうか。
なにより、それ以降国籍について考えたこともなかったなどという必要が何故あったのでしょうか。
蓮舫氏の立場にたっても、こういった過去の発言との整合性を鑑みても、その発言は必要だったのか?と疑問を投げかけざるをえません。
ネットでは、過去の発言との整合性についても盛んに言われていたわけですからね。
このような、なにやら過去の発言とくいちがう発言を今なおされることにもやもや感が残る結果となりました。
終わりに
ということで、蓮舫代表の会見でもやもやする、潔さを感じない発言について触れてきました。
まさかこんなにあるとはとまとめながら驚きました。
以前の記事でも触れましたが、私は、蓮舫代表の思想については同意できませんが、二重国籍疑惑であるがために蓮舫代表が日本の国益のために働こうとしていないかの心ない指摘をされることには若干の同情の念を抱いていたわけです。
そんななかで、今回の会見で、現在二重国籍状態でないことが明らかとなったわけで、蓮舫代表の決断には敬意を表します。
しかしながら、今回の会見でももやもやは残ったままで、今回の会見をやったことが蓮舫代表にとってよかったのだろうかと思わざるをえません。
私としては、潔く疑惑発生当時に説明責任を果たす、もしくはその当時に戸籍開示をしないという確固たる意志をもって決断したのであれば、今度も戸籍開示しないまま続けるしかないかの二択だと思っていました。
その上で、会見を開き説明しようとするのであれば、ごちゃごちゃ言い訳めいたことは言わずに、きっぱり反省の意を示し、二転三転の説明について謝罪するぐらいの潔さでよかったのではないでしょうか。
しかし、上述の通りのごちゃごちゃ感と、過去の発言との整合性が取れない発言などなんとももやもやした結果となったのではないでしょうか。
そしてなにより、蓮舫代表が謝罪したいと思いますと口では言いながら、一度も頭を下げなかったことにも、もやもや感を抱かざるをえません。
今回の会見で確かに、二重国籍であるという疑いは晴れましたが、本当に今回の会見をやるべきだったのか、二転三転の説明という意味での疑惑感は本当に晴れたのだろうかと思わざるをえない結果だと思います。