9月13日 最新の政党支持率を追加
今回は今更感があるかもしれませんが、世論調査で感じたことをもう少し触れておこうと思います。
内閣支持率が続落する条件
今回の世論調査で安倍内閣の支持率は急落しました。
今後の世論調査での安倍内閣の支持率がどう動くかというのは非常に関心されることだと思います。
私の考える内閣支持率が下がっていく要因としては、内閣の行動が国民から批判を浴びるということは大前提として、
- 代わりに政権をやらせようという政党がある。代わりに総理をやらせようという党首がいる政党がある。
- 代わりに総理をやらせようという自民党の政治家がいる。
この2点のどちらかが存在して初めて、内閣支持率は危険水域まで下がっていくものだと思います。
今回の加計学園問題がロッキードのようなバリバリの汚職事件であれば、代わりがいなくても引き摺り下ろそうとなるかもしれませんが、今回程度の問題であれば、上の2点がなければ今後の内閣支持率が続落するということはないのではないのかというふうに見ています。
そして自民党内で、これぞポスト安倍という人は出てきていないので、代わりに政権を担わせたい政党があるかということになると思います。
ほとんど変わらない政党支持率
そこで、政党支持率を見ていきたいと思います。
自民党 | 民進党 | |
朝日新聞 | 34(37) | 8(6) |
毎日新聞 | 27(31) | 8(6) |
読売新聞 | 41(43) | 7(6) |
産経新聞 | 36(41.6) | 8.3(8.0) |
これは自民党、民進党の支持率の調査です。カッコ内は前回調査です。
これを見ればわかる通り、内閣支持率の急落と比較しても、自民党の政党支持率はほとんど下がらず、民進党の政党支持率はほとんど上がらないということが歴然だと思います。
内閣支持率で見ると12ポイント下落した読売新聞でも、自民党支持率は2ポイントしかさがっていないわけです。
(追記)
最新の世論調査結果(9月13日時点)
自民党 | 民進党 | |
朝日新聞 | 35(33) | 5(6) |
毎日新聞 | 29(26) | 5(7) |
読売新聞 | 40(36) | 5(6) |
産経新聞 | 33(29.1) | 6.9(7.0) |
依然民進党支持率は厳しい状況が続いています。
(追記終わり)
ここから見えることは、安倍内閣の今回の国会対応、加計学園を巡る対応には納得できないが、だからと言って民進党に政権を取らせようとは思っていないことが見えてきます。
変わらない要因
これはなぜか。
ひとえに政策が見えないことにあると思います。
仮に安倍政権を引き摺り下ろして、蓮舫総理大臣になった場合、経済政策、外交政策、安全保障政策、ほとんど何がしたいのか見えてきません。
民進党が行っているのは、与党がやっていることを批判するという役割に終始していると思います。
もちろんそれも野党の大きな役割です。
しかしながら、大きな政策を掲げなければ、国民にとっては代替案とはなりえないのです。
2009年の政権交代時は、マニフェストを作り民主党は何をしたいのか、自民党とは何が違うのかということを見せつけた結果、麻生内閣の支持率が下がり政権交代を成し遂げたのです。
マニフェストという言葉はすごく軽いものになってしまいましたが。
民進党が政策論争できない理由
ならば、民進党は政策を打ち出せばいいのでは?と思う人がほとんどでしょう。
しかしながら、民進党には政策を打ち出せない事情があるのです。
それは、民進党内部のバラバラ加減、そして野党共闘にあります。
野党共闘
野党共闘は、安倍政権を倒すという一つの旗印のもとに野党が集まって協力しているわけです。
民進党に取っても、目先の野党共闘で得られる票というのは非常に重要なものでしょう。
当落線上の議員にとっては、当選できるか出来ないかの非常に重要なポイントになってきます。
今となっては、野党共闘が前提として存在しているかのようにも見えます。
そうなると野党共闘を邪魔するような政策論はできないわけです。
政策を論じ始めたら、即座に野党共闘は崩壊するでしょう。
自衛隊は違憲、憲法は守ると言っている共産党と共闘を続けようとする限り、現実的な安全保障政策は打ち出せない、当然憲法改正論議も打ち出せないということになります。
だから野党共闘を続ける限りは、政策を持ち出せば野党共闘が崩壊する以上、森友学園や、加計学園を用いて、反安倍という1点でしかまとまることができないわけです。
バラバラな民進党
あとは民進党内部がバラバラだということ。
民進党の前身である、民主党はまさに選挙互助会でした。
民主党をまとめる一つのパワーは政権交代。それのみでした。
だから国家間の全く違う人が同じ政党にいます。
当然現在の民進党でも同じことです。
旧社民党の辻元清美さんのように、憲法は守る、天皇は気持ち悪い、というバリバリ左な人もいる一方で、前原さんや細野さんのようなどちらかといえば保守寄りな人もいるわけです。
これでは同じ政策を持ち出そうとしても不可能です。
政策論を行えば内部崩壊してしまいかねないでしょう。
細野さんが憲法を変えるための議論が今の民進党では無理だから、といって代表代行をやめたのは記憶に新しいことでしょう。
ですから、民進党内部からは今回の安倍総裁の憲法改正の提案が民進党を分裂させる目的だという話が出てくるわけです。
同じ方向を向いている政党であれば、きちんとした結論を出せばいいわけですが、民進党ではそれを出すことができないということを表している事の一つだと思います。
良くも悪くも、公明党や日本維新の会や共産党などの他の政党は、憲法、そして他の諸課題に関するスタンスは同じでまとまっているわけです。
こういったバラバラな部分が見え隠れしていることも、民進党の支持率が共産党並びそうになりかけている要因の一つなのだと思います。
民進党が、野党共闘もそして内部からも崩壊しないようにするためには、森友加計で不毛な批判を続けるしかありません。
そしてその結果、安倍内閣の支持率を落とすことができても、民進党に政権が回ってくることはまずないでしょう。
終わりに
私は安倍政権支持者であります。
しかしながら、国民にとって、政権を選択することができないということはやはり不幸だと思います。
幾つかの選択肢がある中で選ばれる政権こそ、切磋琢磨する中で磨かれていき、より良い政権となっていくものだと思います。
そのためにも、民進党が健全な野党として生まれ変わり、批判のための批判に終始するのではなく、政権交代すればこんなことをするぞというアピールをしていくことが必要不可欠でしょう。
そしてそのためには、民進党の左の部分を切り捨て、現実的な路線でやっていくべく、再編することが必要不可欠になってくると思います。
そのことについてはこちらの記事で詳しく書いています。
小選挙区制度には死票の多さなどなど様々な弊害があります。
それでも、小選挙区にしたのは、健全な2大政党制を行うためであります。
まさに55年体制から脱却すべく、小選挙区にしたわけです。
にもかかわらず、小選挙区を導入して、55年体制さながらの、万年与党対万年野党という不毛な戦いを見たいとは思いません。
上の記事でも書きましたが、このままでは民進党は万年野党のままでしょう。
蓮舫民進党が安倍政権の最大のサポーターである現在の状態を脱しなければ、いくら安倍政権に対して、反対のための反対を続けても状況は変わりません。
建設的な議論が行われるべく、変革に期待しています。
(民進党代表選挙について)