桜咲き誇れ

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【民進党代表選】枝野氏と前原氏の政策の違いに関してわかりやすく解説。憲法・野党共闘・消費税・ガバナンス。保守VSリベラル

最終更新日 9月27日

(追記)

民進党と希望の党合流の動きについてはこちら

www.blossoms-japan.com

(追記終わり)

 

 

先日蓮舫代表が退陣したことによって、一気に代表選ムード漂う民進党。

(✳︎追記 告示され、民進党代表選挙が始まりました。)

そこで今回は、民進党代表選の出馬者、その展望についても見ていきたいと思います。

 

代表選告示後の両者の会見なども踏まえて、加筆修正いたしました。

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一騎打ち

民進党の代表選挙は9月1日に行われるであろうということが、報道されています。

 

内閣支持率が下がっているときに代表を決めるのが9月とはなんともずれているなという指摘もありますが、民進党の代表選挙は今回議員だけでなく、地方の党員・サポーターの票も入るわけで、そこへの遊説などを考えればこういった日程になるということです。

 

そして、気になる出馬者ですが、ほとんど前原誠司氏と枝野幸男氏の一騎打ちであろうとの予想が大勢となっています。

 すっぱり言ってしまえば、今回の民進党代表選挙は保守派の前原氏対リベラル派の枝野氏の対決といっても過言ではなかろうと思います。

 

保守とは・リベラルとは

保守とリベラルがよくわからんという方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に説明しましょう。

非常に粗雑な説明になるかもしれませんが、要点を知るための説明ということでご容赦ください。

 

保守は現在ある政党でざっくり言えば、自民党や維新の会のような政党で、理性は万能ではないから、今までの伝統を尊重し守っていこうという考え方のことです。

リベラルは、現在ある政党でざっくり言えば、社民党・共産党のような左派のことで、伝統を重視するのではなく、現在の自分たちの理性で物事を判断しようという考え方のことです。

 

厳密に言えばリベラルという概念は保守と対立するかと言われればそういうわけでもなく、保守の反対は革新なのですが、メディアでは保守リベラルは、上記のような意味で使われています。

そして、これは非常に簡単な説明ですので、また保守とリベラルについて詳しく記事を書きたいと思います。

 

保守VSリベラル

本来であれば、保守政党とリベラル政党は分かれていて、同じ政党であればある程度同じ考えの人が集まっているのが理想なのですが、こと民進党は保守からリベラルまでなんでもありの政党なのです。

これは政策や理念ではなく、政権奪取という目標で集まったからに他なりません。

こういった考えの幅が、国民目線で言えば、考えが一つにまとまらずぶれていると批判される要因の一つでしょう。

 

そこで今回の選挙を通りして、民進党の主導権を保守派かリベラル派のどっちが握るかという争いが今回の代表選挙といっても過言ではないかもしれません。

 

そして、喫緊の保守対リベラルの争いということで言えば、野党共闘です。

 

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争点:野党共闘

上述の説明でもなんとなくわかる通り、保守派からしてみれば、現在の体制をまるっきりひっくり返すことを綱領としている共産党と組むということは到底容認できません。

現実に政権を取ったときに、天皇や自衛隊などで考えが一致するわけがありませんから。

 

一方リベラル派からしてみれば、現在の安倍政権を倒すという一つの目標のために共産党と共闘することは考慮の余地があるという考え方になります。

 

実際、前原氏は共産党のことをシロアリと表現して野党共闘に真っ向から反対している一方、枝野氏は「協力したい方と協力するのは当たり前」として野党共闘に前向きな姿勢を見せています。

 

こういった意味で、野党共闘を今後も継続していくのかということは非常に大きな争点の一つです。

 

争点:憲法

もう一つ争われるのは憲法に関する問題でしょう。

 

これまた日本では保守派はどちらかといえば安全保障に前向きで憲法改正容認の傾向が、リベラル派は憲法改正を認めたくないという傾向にあります。

 

実際、前原氏は安倍総理と同じような憲法9条改正草案について同じような考えを持っていますが、枝野氏は安保法制制定した現在の状況での憲法に自衛隊を位置付けるということには反対するという立場を取っています。

 

前原氏も、枝野氏と同じく安倍総理の拙速な憲法改正議論には反対だと述べていますが、枝野氏と比較して憲法に対するスタンスが前向きであるのはまちがいないでしょう。

 

こういった意味でも、前原氏が代表になれば、憲法問題に関して自民党ともなんらかの妥協点を目指して積極的な議論があり得るのに対し、枝野氏が代表になれば少なくとも憲法9条に関しては、現在の民進党の「安倍政権下での憲法改悪に反対」ということで具体的な議論は進まないのではないかと見られます。

 

これまた民進党では大きな問題で、民進党内では細野氏や渡辺氏などの保守派の憲法の積極的な改正に賛成という方もいれば、リベラル派で改正反対護憲!という方もいらっしゃいます。

こういった憲法論という意味でも、代表がどちらに決まるかというのは非常に重大な問題でしょう。

 

争点:消費税

前原、枝野氏は慶応大学の井出教授との関係が深く、二人の経済政策は大きな枠組みでは一致しています。

これは枝野氏自身が告示日の会見で話していたことです。

 

しかし、直近の問題に関しては異なっています。

それが消費税増税に関する見解です。

 

前原誠司氏は、現在の日本の状況であれば、消費税を予定通りに2019年に増税して、それを国民のために使うというスタンスです。

枝野幸男氏は、現在の日本の状況であれば、消費増税を行えば、日本経済が崩壊しかねないと警鐘を鳴らしており、反緊縮のスタンスを強く打ち出しています。

 

このように、消費税の増税に関するスタンスで大きく違うと言えるでしょう。

その他の経済政策に関してはこちらの記事で、詳しく解説しています。

よろしければ御覧ください。

前原誠司氏ひいては民進党の目指す経済政策をザックリわかりやすく解説。【民進党代表選】 

民進党は代表を支えられるのか

他にも論点はありますが、主には憲法、経済問題、そして野党共闘が重要な争点ということになるでしょう。

 

最も重要なのが民進党のガバナンスの問題です。

民進党は前身の民主党時代から、代表選挙を持って党の方針を決定したとしても、それに納得できないとしてその翌日から反抗する勢力が必ず存在します。

これは、いろんな議論があっても決定されれば従う自民党とは全く違います

 

蓮舫代表辞任からもうかがえる民進党のガバナンス問題

それは今回の蓮舫おろしからもうかがえます。

蓮舫代表も昨年9月の代表選挙で圧倒的指示を受けて勝利したのにもかかわらず、その翌日からずっと蓮舫体制に対する文句を言い続ける勢力が必ずいましたし、民進党一丸となって蓮舫氏を支えるという姿勢は伺うことができませんでした。

 

今回の代表辞任も、党内で蓮舫執行部の人事に対する妨害行為がなされたという動きが報道されています。

具体的に言えば幹事長人事が回ってきても断るように党の幹部がいい回っていたということです。

党のガバナンスという問題であれば、こういった姑息な工作は到底容認できず、トップから求められれば幹事長人事は受けるというのが党としての通常のあり方でしょう。

 

このように選挙で決めた代表を一丸で支持する姿勢を見せず、わずか10ヶ月で退陣に追い込んだのも、民進党のガバナンス面での問題が表面化したものでしょう。

 

このように、民進党は党のガバナンス面での問題が非常に目立ちます。

その要因は党の考えの幅ということも当然あるのでしょうが。

そういった意味でも、今回の選挙で前原氏・枝野氏どちらがなっても、決まった代表として支えていくんだという姿勢が見えるかというのも、民進党の今後を占う大きな側面の一つでしょう。

 

終わりに

ということで次の代表選挙で注目されるポイントとしては

  • 保守VSリベラルの戦い
  • 争点は野党共闘・憲法など
  • 決まった代表を支えられるか

というところでしょう。

 

もちろん今後の動向によって移り変わる可能性はありますが。

 

最も注目されるのは選挙で決まった後その代表を支える雰囲気が党内で構成できるか、つまり党内の決定に従うというガバナンスの問題をクリアできるかということでしょう。

もしも保守とリベラルの溝の深まりということになり、ガバナンスをしっかりとできなければ、小池新党で新たな保守勢力を作成するという動きがおこり、民進党の消滅という可能性も十分に考えられます。

 

そういった意味でも、民進党にとって最も重要なのは、保守・リベラルの争い、政策の争いも当然ですが、党のガバナンスの問題として、決定したことに従えるという体制を作れるか、決定に従わせる体制を新代表が作れるかということになるでしょう。

 

党勢低迷とはいえ野党第一党です。

その代表選は注目が集まります。

 

前原氏そして民進党の目指す経済政策についてわかりやすくまとめました。(8/21)

こちらもどうぞ。

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代表選挙の仕組みや、現在の情勢などについてもまとめました。(8/22)

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 前原誠司氏が新代表に決定しました。詳細と今後の展望についてはこちら 。

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