内閣改造が明日に迫り、各局の報道が過熱していますね。
そんななかで、伊吹文明さんが文科省を打診されて断ったという報道がありました。
伊吹氏、文科相就任を固辞 切り札失い首相痛手 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
伊吹氏は議長経験者ということで固辞したと報道されていました。
これを受けて、伊吹氏は弱る安倍内閣に入りたくないからその口実として、議長経験うんぬんを使い断ったんだなどという憶測が出てくる状況ともなっていました。
そんななか、今晩プライムニュースに伊吹先生が出演され、このことについて語られ、その言葉の見識の深さに敬服いたしましたので、まとめていきたいと思います。
明言はされない
伊吹先生に対して、視聴者からのメールを引用する形で司会の反町さんが「なぜ固辞されたのか」ということについて話題が移りました。
これに対して、伊吹先生はその影響力も考え、「私が安倍総理とそのことについて話したかについては明言できない」という風に語られました。
安倍周辺に対する苦言
そして、こういった報道が出ることについて、固辞したということを漏らした安倍総理側近、与党関係者に対して
「どうしてこういう報道が出るのか。
安倍チームの一員として、外に話すということが安倍さんにとってプラスなのかということを常に考えて行動してほしい。
このタイミングで閣僚打診を断られるということが表に出るということは、安倍政権にとってプラスではない。そういったことをもっと考えるべきだ。」
と苦言を呈されました。
これはごもっともな話で安倍政権を支える上でそういった話がプラスではないことは事実で、こういったことが報道として漏れてくるという現状に疑問を抱いているという感じでした。
大きな筋を通す
そして、自らが打診を受けたかどうかについては明言を避けながらも、議長経験者が閣僚になることについて熱く語られました。
「国民の総意を代表しているのは内閣ではなく、国会である。
議長という立場は国民の総意を背中に受けながら、内閣総理大臣を指名し、そして指名を受けた総理大臣が閣僚を指名し行政権が確立される。
これが三権分立の基本。
議長が特定の政党が構成する閣僚になるのはどうなんだということ、
総理を指名する議長が首相に、総理大臣が指名する閣僚になるのがいいのかということ。
今後50年100年と日本が国民主権と議院内閣制で動いていくのであれば、軽々に行動をとれば、国会というのはその程度のものであるか、議長というのはその程度のものであるかと思われる。
そうやって議会の権威、国民主権を先輩たちも守ってきた。
なんでもやってあげたいし、党の雑巾掛けや国会の廊下掃除ということであればなんでもする。
しかし、今後50年100年を考えれば、大義親を滅す、大きな筋道のためにはこれだけはやっちゃいけないというのがある。
先輩が守ってきた議会の権威、国民主権がある。
個人的には安倍総理と理念が近いし、メールアドレスも交換している仲でなんでもしてあげたいが、それはできない。」
と、もし頼まれたら答えるであろうとお答えになられました。
非常に長いですが、伊吹先生の意図するところを曲げないように紹介させていただきました。
雑巾掛けでもしてもいいが、大きな筋道のためにはやってはいけないことがある。
議長経験者としてここまでの高い見識を持って、思いを持っておられる伊吹先生のお言葉に深く感銘を受けました。
ごもっとも
こういった筋論はおっしゃる通りで、なんでもしてあげたいがといいながらも、筋を通そうとする伊吹先生の姿に大きな政治家としての信念を感じ、重ね重ね非常に感銘を受けました。
こういった信念に対して、江田五月先生などの前例を挙げて、伊吹氏の固辞は言い訳であるなどといった人たちには猛省を促したいと思います。
襟首を掴む
そして伊吹先生が番組で自民党に関してもおっしゃいました。
民進党の代表選挙に関する話題で、意見を聞かれ、
「民進党は、野田さんを辞任させた時、民主党時代から、危機の時にやはり襟首をつかむような蓮舫代表の人事を妨害して陰湿な蓮舫おろしをしたような後ろから攻撃するようなガバナンスに問題がある。
自民党は民進党を反面教師として、安倍政権を支えて、そういったことにならないように一致結束しなければならない」
と語られました。
これまたおっしゃる通りで、私自身に前から何度も申し上げている通り、民進党の問題は決定に従えないガバナンスの問題にあります。
【民進党代表選】保守VSリベラル一騎打ち 本当に重要なのは民進党のガバナンスを立て直せるか【前原誠司VS枝野幸男】 - 桜咲き誇れ
そういった意味でも、自民党が同じ轍を踏まないように、政党政治を貫こうとするお姿にも感銘を受けました。
終わりに
ということで伊吹先生の発言を見てきました。
なんでもしてあげたいが、筋は通さねばという姿勢には非常に感銘を受けました。
大義親を滅す、の言葉通りに50年100年の日本の議院内閣制という大きな筋を持ってらっしゃる伊吹先生に改めて感服いたしました。
この固辞の話題についても非常に注目が集まっていたので記事にしました。
誤った見解が広まらないように望んでいます。
あと個人的には、安倍総理と伊吹先生がメル友だというのはほっこりしました
明日いよいよ迎える内閣改造。
閣僚人事はほぼ出揃っていますが、ポストなどについては未だ調整中でしょう。
安倍政権がどうなるか、明日の内閣改造・総理の発言に注目が集まります。