29日、北朝鮮のミサイル発射によってJアラートが発表されましたね。
私も該当地域でして、携帯のけたたましい音声で起きたのですが、恥ずかしながら「通過した」という二つ目のJアラートが来るまでは不安でいっぱいでした。
そして、今回のJアラートを受けて、実際に携帯や地方防災の方際などでその情報を知ってから、実際に何をすればいいかわからなかったという方も多くいらっしゃったことでしょう。
そんななかで、Jアラートを受けてから短い時間でやれることはないから無意味だ、訓練をして 、頭を抱えたからといってミサイルから身を守れるわけがないだろうという、一見正しそうな誤った言説が流布されています。
そこで、これらの間違いを指摘して、Jアラートからミサイル着弾までの短時間でどう動くべきかを見ておきたいと思います。
ミサイルの被害は直撃だけではない
今回のミサイル発射を受けて、Jアラートを聞いてもあんまり時間はないし意味がなかった、頭を抱える訓練を行っても、ミサイルからは身を守れないなどといった言説が多く目立ちました。
これらの論調の前提としては、数分では何もできない、もしくは個人で対処する術はなく、ミサイルの軌道に命運を任せるしかないといった考え方でしょう。
そして地下施設や、核シェルターはないのだから、事前に知っても意味がないという言説です。
もちろん、ミサイルが直撃すれば個人でどう頑張ったところでその人の生命に関してプラスの行動をとることは非常に難しいかもしれません。
しかしながら、ミサイル着弾の結果起こることに関しては、対処の余地があるわけです。
まずこの点を勘違いされていると思います。
ミサイルは直撃した人だけが被害を受けるわけではなく、その爆破の衝撃で飛んだ破片に当たったり、その破片でガラスが割れて巻き込まれたり、爆風や閃光を浴びたり、などなど副次的な被害が考えられます。
こちらのtweetを見ればわかる通り、爆破による破片のスピードは非常に早いものです。
【北朝鮮ミサイル】「伏せることが身を守る」ということがよく分かるGIF pic.twitter.com/97MnkJfXoC
— netgeek (@netgeek_0915) 2017年8月29日
こういった状況で、棒立ち状態でいるより伏せている方が、屋外でいるより屋内でいる方が、窓際にいるよりは窓から離れた方が、生存の確率が飛躍的に増すことは疑いようもない事実です。
Jアラートは必要
そしてそういった状況において、伏せたり、屋内に入ったり、部屋の窓際から離れたりすることは、1分2分でも可能なことです。
ですから、その1分2分前に事前に情報を受け取り、体制を整えて被害を待てるかどうかで、生命の保持に大きく関わってきます。
こういった意味で、Jアラートで情報を受け取ることは、事前に対策を練るためにも不可欠です。
なにより、直撃のような最悪の事態しか想定しないのであれば、そして生命保全のために少しでもましな方法をとるということを否定するのであれば、緊急地震速報も何の意味もありません。
しかしながら、事前の1分2分で対策をとることで、助かる命があることも事実ですから緊急地震速報というものは存在するわけです。
アラートから速やかに身を守るための訓練
そして、訓練を否定する言説では、落ちてくるのはミサイルで頭を抱えても意味はないといった批判が多いでしょう。
しかしながら、上述の通り、直撃では守れなくとも、頭を抱え低い体制をとることで、破片など副次的な被害から身を守ることが大いに考えられます。
そして、Jアラートを受け取って今回そのための行動がパッと頭に浮かんだ人は非常に少数でしょう。
だからこそ、Jアラートがきてから、どうすればいいんだっけなどと調べるのではなく、事前に対策を周知することで、速やかに体制を整えることで一人でも多くの命が救えるために訓練を行うわけです。
今後も訓練を継続すべき
上述の通り、直撃だけを考えるのでなければ、訓練は必要不可欠であることはわかっていただけるでしょう。
Jアラートが来てから何をしていいかわからないから意味がないではなく、何をすべきか周知すべきために訓練をするのです。
そして今回防災放送が機能しなかった市町村もありました。
朝日新聞によると、7道県・16市町村で防災行政無線が正しく作動しなかったということです。*1
このような不具合を事前に確認して、改善すべきを知るためにも訓練は不可欠です。
訓練を批判しても命は救えませんが、訓練をすれば救える命が一つでもあるかもしれません。
危機を煽るから訓練をやめようというのは、命を守れるかもしれないことを止めるおかしな話でしょう。
動けるのは4分
今回Jアラート第一報がきたのが6時2分、日本を通過したのが6時6分と言われていますから、実質動けるのは4分間ということになります。
ですから、そこから対策を調べて、被害を抑えるための体制をとるのでは遅い可能性もあります。
だからこその事前訓練なわけです。
たった4分にするのか、4分もあるにするのかは、日頃の準備次第でしょう。
そして、ここで危険なのは、どうせ大丈夫だろうという謎の自信によって何の行動もとらないということです。
やれることがある間は、できる限りを尽くすことが生命を守るために少しでも役に立つ可能性があります。
楽観的観測から高台に移動しなかった人も多かった、東日本大震災の津波の教訓を生かすべきでしょう。
実際にすべきこと
では実際にJアラートを受け取ってからどう動けばいいのかということでしょう。
今回も何をしていいかわからず、テレビやツイッターを眺めて気づいたら通過してたという方も多いでしょう。
万が一のための対策というのは不可欠です。
短い時間で実際にすべきこと、できることは国民保護ポータルサイトのこちらの画像にすべて載っています。*2
屋外にいる場合
まず屋外にいる場合頑丈な建物や地下に避難してください。
これは直感的にわかる気もするでしょうが、破片や閃光や爆風から身を守る上で非常に重要なことです。
広島に原爆が投下された際に、爆心地近くにいながら、地下にいたことで奇跡的に助かった人物もいますから、諦めないことも重要でしょう。
建物がない場合
そして、建物がない場合は、物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守ってください。
これまた上記と同じく、立っていたり物陰でない場所に居れば、破片・閃光・爆風の被害の大きさはかなり違ってきます。
屋内にいる場合
そして屋内にいる場合は、窓から離れるもしくは窓のない部屋に移動してください。
これは、窓のそばにいれば窓ガラスが爆風や破片で割れた際に被害を受ける可能性があるからです。
私の場合
ちなみに私は、Jアラートを受けて、起床してすぐに個室のトイレに入ってミサイルの通過を待っていました。
一応上述の条件に当てはまっているかと思います。
何ビビってんだよ、用心しすぎとこの私の対応を見て笑う方もいらっしゃるかもしれません。
何もなければ、「いや、何用心してんの。何もなかったやん。」と笑いとばせばいいのです。
安全が確保されるまでは万が一に備えることは重要でしょう。
(追記)
専門家もトイレへの退避を推奨していました。
最後に
ということで、Jアラート・訓練を批判する人々の誤りと、実際にどのようにして身を守るかについて見てきました。
訓練をする必要がない、危険を煽るだけだという人はあなたの身を守ってはくれません。
少しでも役に立つかもしれまない、対策を覚えておくことの方が重要であることは自明でしょう。
1パーセントでも生存の確率、生存する人数が増えるのであれば、その努力を怠っていいはずがありません。
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