今日の委員会で義家文科副大臣の発言が、物議を醸していました。
義家氏は「文科省の現職職員が公益通報制度の対象になるには、告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかにすることが必要だ」と説明。さらに森氏が「『(告発者を)守る』と言えないのか。勇気を持って告発した人たちの権利を守ると言って欲しい」と求めると、義家氏は「一般論」と断った上で、「告発内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出されることは、国家公務員法(違反)になる可能性がある」と述べた。
これに対してツイッターでは、トレンドにものり
内部告発したら処分されるとか正気とは思えない
何これひどすぎ!
政府による恫喝だ
などと言った的外れと思える批判の声が上がっていました。
そこで公益通報者保護制度に関して見ていきたいとおもいます。
公益通報者保護法
公益通報者保護法というのは、その名の通り公益通報つまり組織内部の違法行為などを外部に通報した者を保護するための制度です。
ここでいう公益通報となるために必要なことは、対象となる460本の法律で、
①犯罪行為(刑罰規定に違反する行為)
②最終的に刑罰につながる(刑罰規定に違反する)行為
に当てはまる違法行為を通報することです。
他にも加害目的ではないなどの条件はありますが、違法行為、もしくは違法行為につながる行為でなければ公益通報保護の対象とはなりません。
当然の答弁
つまり、今回の義家文科副大臣が一般論として述べた、法令違反でなければ国家公務員法違反となるというのは至極当然のことなのです。
法令違反という枷をはめずに、何でもかんでも公益通報保護に当てはめることはできません。
公務員には大前提として、当然の責務として職務上知り得たことに関しては保護する必要があります。
違法性のない文書を外部に出すことが守秘義務違反になることは、至極当たり前のことですし、外部に流出した方もそれを当然知っているでしょう。
的外れの批判
ですから、ツイッターなどのSNS上での批判は全く当たらないとしか言いようがありません。
今回の「総理の意向」文書には、法令違反を示すものはないと考えられますから公益通報で保護されるものではないでしょうし、義家さんはあくまで一般論として述べたまでです。
これは、再調査のやる気のなさを表しているという指摘もありました。
義家:「お前らいいか、下手な発言したら懲戒処分するぞ。その上で聞く。今回の内部文書は当初の調査では発見できなかったのに、フォルダ内で保管していたのは、誰と誰と誰だ。名乗り出なさい。」、ってやるんじゃないの。
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) 2017年6月13日
例の一つ。
しかし、文科省内の調査でしっかりと協力することと、内部の文書を外部に漏らすこととは全く性質が違います。
今回の発言は、省内部での調査にしっかり協力することを阻害するものではありません。
終わりに
おそらく公益通報者保護法についてご存知ない方々が、今回の義家さんの発言を批判されていると思ったので、公益通報者保護法について一応まとめてみました。
別に政府が悪事を隠すために役人を脅すためにこういったことを言っているとかではなくて、あくまで一般論として普通のことなのです。
的外れの批判はやめましょう。
文科省の追加調査がしっかりと行われ、国民の理解が得られる結果になるよう望んでいます。