最終更新日 8月16日
5月30日の朝日の朝刊でこういう記事が出ました。
前川喜平・前文部科学事務次官が朝日新聞の取材に対し、昨年9~10月に和泉洋人・首相補佐官と首相官邸で複数回面会し、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」などと言われたと証言した。「獣医学部新設を早く認めるよう求める趣旨だった」と語った。
この記事を見たとき、おいまじかよと思わず突っ込みそうになりました。
それは、安倍政権に対してではなく、一面トップで報じた朝日新聞に対してです。
今回は、この報道について論じたいと思います。
朝日新聞は報道を捨てたのか?
まず、報道の基本としては、ファクトつまり事実をして語るという大前提があります。
報じる記事が本当であるかどうか、しっかりと裏取りをして報じるのが基本中の基本ということです。
そんななかでこの記事、前川前次官が言ったということしか書かれていないわけです。
つまり、裏取り、ダブルチェックが行われていないんですね。
これでは、前川前次官が言ったことを全て鵜呑みにして、一方的な見解を伝えるだけではないですか。
朝日新聞が、「総理の意向」文書を報じたときも前川前事務次官が持ち込んだ文書を、まるで第三者の文科省幹部が本当だと証言していると、その事実を隠して報道していました。
そのことについては、こちらの記事でも言及しています。
前川前事務次官の証言は意味がない!持ち込んだ本人の証言 - 桜咲き誇れ
朝日新聞は、反安倍なら何でもいいんでしょうか?
朝日新聞の前科
なにより、朝日新聞にはこういった一方的報道の「前科」があります。
いわゆる従軍慰安婦問題について、吉田清次というペテン師がいうことを、鵜呑みにして、ちょっと事実確認をすれば明らかに間違っていること(女子挺身隊が、慰安婦ではないことなどなど)がわかるというのに、その事実確認を怠って、なんども記事にして報道したわけです。
その後、吉田清次本人が事実無根の嘘であることを証言した後、ずいぶん沈黙を貫いていましたが、2014年にようやく謝罪をし、訂正をしました。
この誤報で、はっきり言って日本はずいぶん国益を損なったと思います。
このことも、吉田清次という人物のいうことを、鵜呑みにし一方的な見解を伝えるだけで朝日新聞の裏取りはなかったわけです。
今回とよく似ているとは思いませんか?
朝日新聞は、過去の失敗を教訓として生かそうとはしないのでしょうか。
イデオロギーに合致するものであれば、それが本当か嘘か調べる前に、報道してしまうという、過去の失敗を生かすというつもりはないのでしょうか。
反安倍なら何でもいいのでしょうか?
仮に本当だとしても何か問題はあるのか?
この記事に対して、前川前事務次官に総理の代わりに獣医学部の設置を急ぐようにいったとされる和泉首相補佐官は「面会は確認できない。総理からの指示もない。」と言っているわけです。
朝日新聞は、こちらを報じずに前川氏の発言だけ一方的に報じているわけです。
ただ、もし前川氏の発言が本当であったとして、問題はあるのでしょうか。
前川氏によると
「和泉氏から、獣医学部の新設を認める規制改革を早く進めるように、という趣旨のことを言われた。『加計学園』という具体名は出なかったと記憶しているが、加計学園の件であると受けとめた」と証言。そのうえで「このときに和泉氏から『総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う』と言われたことをはっきり覚えている」と語った。
このように、和泉首相補佐官から言われたそうです。
この証言の中に、何か問題があるのでしょうか。
規制改革を早く進めるように
まず獣医学部の新設を認める規制改革を早く進めるようにと言われた。
このことは、何の問題もないでしょう。
規制改革を進めるのは、安倍内閣の基本方針ですし、それを既得権益を守ろうとする文科省に要求するのは、至って自然なことかと思います。
前川前事務次官の忖度
そして、次に加計学園という具体名が出なかったが、前川氏が勝手に忖度したことが証言されています。
このことは、逆に安倍総理を助けるような発言であっても、不正を疑わせる証言では全くありません。
加計学園という具体名が出なかったということからも、総理の意向は岩盤規制を緩和して、獣医学部の設置を目指すことにあるわけで、加計学園に獣医学部を新設させることにはないことは明らかです。
加計学園に進んだのは、総理の意向ではなく、役人の勝手な慮りであると、証言が出てしまったわけです。
総理の口からは言えないから代わりに、、、
そして最後に、朝日新聞が言いたいのはここだと思いますが、総理の口からは言えないから代わりに言うという和泉首相補佐官の発言ですね。
このことで、安倍総理が自分の手を汚さずに部下の手を使って文科省に圧力をかけようとしているといった印象操作を行うことで、安倍政権にさも不正があったかのような印象を与えようとしているのだと思います。
しかし、もしこれが本当だとしても、重ね重ねになりますが、岩盤規制を打ち崩し、獣医学部を設置することを文科省に求めているのみであって、安倍総理が友達のために加計学園に獣医学部設置を許可するために利益誘導したのではないことが、逆に明らかになってしまっています。
今回の疑惑は、獣医学部を設置することではなく、総理の不正な力で友達のために、無理やり加計学園に決まったのではないかということですから、特に問題はないように思えます。
まとめ
以上で述べた通り、今回の報道は裏付けに乏しくその真偽性も不明な上に、仮に本当だとしても何も問題はなく、むしろ安倍総理を利するような報道でした。
この報道を持って、安倍総理がやっぱり裏で手を回していたんだ!という批判を強めている人もいるようですが、本当に内容を理解してらっしゃるのかと思ってしまいます。
この記事は、毎日、東京も報じていたようですが、一面に報じたのは朝日だけでした。
もちろんこの問題で、本当に安倍総理が不当に友達のために加計学園のために動いていたのならば、責任を取らなければならないかもしれません。
しかし、安倍政権を倒すために、事実調査すら捨てて、自らのイデオロギーのために報道するのは、過去の教訓も踏まえ改めていただきたいところです。
これらの和泉総理補佐官をめぐる発言は国会でも取り上げられました。
そちらの様子は以下の記事をご覧ください。