加計学園の問題は次から次に文書がポロポロ出てきて問題になっていますね。
今最も話題となっているのは
こちらの議事録の話でしょう。
日本獣医師会の議事録の中で「加計ありき」を疑わせる発言が見受けられるという話ですね。
一方山本大臣は、加計学園というワードを出したこともないし、京都の話もしていたと、お話になっているわけです。
さらに、この件に関して日本獣医師会会長の蔵内氏の証言も出てきています。
そこで本当に「加計ありき」なのか?について見ていきたいと思います。
議事録の内容
今回出てきた議事録がどういったものかまず確認しておきたいとおみます。
〈獣医師が不足している地域に限って獣医学部を新設することになった〉
〈四国は、感染症に係る水際対策ができていなかったので、新設することになった〉
〈今治市が土地で36億円のほか積立金から50億円、愛媛県が25億円を負担し、残りは加計学園の負担となった〉
とのことで、獣医学部が四国にそして、加計学園に新設されることが決定されているかの話ぶりだという指摘です。
「四国」「今治」のことしか話しておらず、「京都」の話をしていないことから、始めから「今治」に作ることは決定していたんだろう、「加計ありき」だろうと疑われているわけです。
しかもこの話が行われたのが、獣医学部募集の告示、そしてその後の公募が行われる2ヶ月前の11月ということで、最初から「加計ありき」だったことを裏付ける資料として話題になっているわけです。
否定する山本大臣
これに対して、発言したとされる山本大臣は、
「四国に決まっているような発言は全くしていない。それは向こう側(獣医師会側)が、当然そうだろうなと思い込んでいろいろ発言していた。」
「四国・今治ばかりと言っているが、『京都だって追加であり得るんですよ』という話を、そういう状況を受けてした」
と発言されています。
山本大臣の発言によれば、獣医学部ができるのは今治だろうと思い込んで発言していたのは獣医師会の方であって、それに対して、京都もありうるということを伝えたところ「それは困る」という話が出たとのことです。
そして財政の問題について話したのも、北村直人顧問から要請を受けて調べたものであることも明らかにされました。
さらに加計学園という具体的な学校名に関しても、事業実施主体と行っており、具体名は出していないとしました。
これらから議事録は思い込みで書かれている部分があるともおっしゃいました。
ということで、獣医師会の議事録と山本大臣の発言は食い違っているわけです。
蔵内会長の発言
ということで、言った言わないの水掛け論になりそうなところなのですが、この会議に出席されていた、日本獣医師会の蔵内会長がインタビューに答えておられます。
【独自】 加計学園問題の真相は 福岡のキーマン 獣医師会・蔵内会長が新たな証言 (TNCテレビ西日本) - Yahoo!ニュース
蔵内会長によると、会議で新設する場所について「四国」「京都」の名前が挙がっており、山本大臣がその会議の場で「四国」のみを語り「四国ありき」のようなことは言っていないことを明らかにしました。
さらに、獣医学部の新設を一校に絞ってほしいという依頼は、この面会の後であることも明らかにされました。
つまり、獣医師会は「京都もありうる」とは考えてなくて、この面会で京都がありうることがわかったから一校に制限するように動いたということもわかります。
そして、山本大臣が「四国」「今治」のことしか話していないという議事録の表現は間違いであることが蔵内会長の証言で判明したわけです。
まさに獣医師会の最高責任者の発言ですからね。
このように獣医師会内でも会長と北村顧問の意見は食い違っているわけです。
このことから当該議事録が本当に客観的なものなのかには疑問も残ります。
「加計ありき」ではない
そして、これらの発言を受けて、この議事録が「加計ありき」の証拠であると言っていますが本当でしょうか。
山本大臣は、「京都」もありうると言ったと、そして、「加計学園」という具体名は話していないことを明らかにされているわけです。
十分に注意したとおっしゃっているぐらいですからね。
そして何より、先ほどの蔵内会長の発言からもわかる通り、この段階では獣医師会は1校に限るように要請していなかったわけです。
そして、この当時ワーキンググループ諮問会議では、1校限りではなく、2校3校という予定だったことも明らかなわけです。
こういった中で、獣医学部新設に意欲を示しているのが、今治と京都の2箇所だけの状況で、「加計」のために何らかの力が働いて動くというのはありえないのではないでしょうか。
このままいけば、普通に今治も京都も作らせようというのが諮問会議、政府の方針なわけですから、「加計ありき」「京産外し」という動きを取ろうとする合理性・必要性はありません。
このことからも、「今治・加計ありき」と思っていたのは、政府ではなく、獣医師会側であることも明らかでしょう。
この面会の時点で「加計ありき」だったという主張は、周辺状況から考えても厳しいのではないでしょうか。
「十分に注意した」
そして、山本大臣、内閣府の職員ともに
「加計学園という名前を出さないように十分に注意した」
と語っているわけです。
これを受けて、言わないように十分注意したというのは、当時から「加計学園」というのが頭にあった、「加計ありき」という証拠ではないかとして批判されています。
しかし、国家戦略特区という仕組み上、事業主体と地方自治体がタッグを組んで申請しているわけで、自治体の側からすれば、今治なら「加計学園」京都なら「京産大」ありきで動いていることは明白なわけです。
とはいえ、実際には「公募」によって決まるわけですから、「特定の名前を出さない意味で十分に注意した」と言っているわけです。
「加計学園」ということが決定しているから、発言しないように「十分注意した」という意味ではなく、今治からしてみれば「加計ありき」だとしても、実際には公募で決まるわけで、具体名を出さないように注意したということにほかなりません。
加計だからということではなく、今治でも京都でも、そして加計でも京産でも同じことでしょう。
終わりに
ということで、話題となっている議事録、そしてそれを巡る、山本大臣、蔵内会長の発言について見てきました。
会議出席者である蔵内会長が、山本大臣の発言を裏付けていることからも、議事録を盲目的に信頼していいのかどうかは疑問ではないでしょうか。
そして何より11月時点で「加計ありき」で進んでいたのは、日本獣医師会であって、政府としては「加計ありき」である必要がなかったことも明らかではないでしょうか。
新設されるなら「加計ありき」と判断していた獣医師会が、「京都もありうる」と聞いて慌てて一校に絞るように要請したことからも明らかでしょう。
私個人としては、今回の発言が「加計ありき」の証拠として取り上げられていることには疑問です。
そして蔵内会長の発言を報じようとしない各種メディアに対しても疑問であります。
いやいやお前の見方は間違っている、この会議が示しているのは「加計ありき」なんだよ、というご意見がおありの方がいましたら、ブックマーク、コメント、ツイッターなどでご意見いただけると幸いです。
いずれにせよ、24、25の閉会中審査で野党から追及されることになるでしょうから、その結果を注目したいと思います。
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