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【閉会中審査】前川前事務次官の参考人招致で新しい事実はなし 加戸前知事・原委員「規制緩和側」が語ったこと 野党の「甘い」質問 【加計学園】

7月10日、閉会中審査で前川前事務次官の参考人招致が行われましたね。

そこで、今回の閉会中審査に関して見ていきたいと思います。

 

 

前川前次官から新しい事実はなし

まず、今回の最も注目された前川前事務次官の参考人招致でしたが、はっきり言って、新しい事実はありませんでした

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前川氏が語ったことは、ほとんどが前川氏の記者会見ですでに前川氏が話した内容でした。

 女性の貧困調査という表現は間違っていたと前川氏が認めたのは、新しい情報ですがそんなことはどうでもいいので。

 

参考人招致前に予想した通りで、相変わらずほとんどが今まで通りの情報で、なおかつ前川氏の憶測に基づくものであって、今回の前川氏の話で何か事態が動くということはないであろうという内容でした。

前川前次官参考人招致の臨時国会 改めて参考人招致で注目すべきポイントをまとめる【加計学園】 - 桜咲き誇れ

 

上の記事でも、果たして野党が必死に求めている、前川氏の参考人招致に意味はあるのか?と疑問を投げかけていましたが、その通り、新しい事実はなく、意味はなかったのではないかと思わざるをえない内容でした。

 

いやいや、こんな新しい事実があったじゃないかという方がいらっしゃったら是非教えてください。

私には見出せませんでした。

 

その他の参考人

一方、同様に参考人招致された、ワーキンググループの原委員や加戸前知事のお話は、初めてということもあって、非常に注目すべき内容であったと思います。

 

既得権益を打破する側の意見はなかなか聞けていない状況でしたからね。

 

そこで、主な内容を見ておきたいと思います。

【加計問題】前川喜平・前事務次官、衆院の閉会中審査で 「背景に官邸の動きあった」(テキスト中継)

原委員

まず今回の決定の経緯を問われて、

特区諮問会議は岩盤規制改革の実現のために真摯に対応してきた。特区ワーキンググループでは、平成26年から当時は新潟を前提として議論してきた。なので「加計ありき」はおかしい。

獣医学部の新設禁止の告示、が正しいものだったのかどうかが論点だったと思う。審査に入ることを一切認めないという規制が「需給調整」の名の下になされてきた。でも実際は破綻していた。

 本来は告示の規制そのものを廃止するのが筋だが、文科省とも議論を重ね、最後は同じ気持ちで閣議決定した。

 とのことです。

つまり、そもそもは新潟を前提にしていた、いわば「新潟ありき」であったことを明らかにされています。そして「加計ありき」ではないことも指摘されています。

 

そして、文科省が法律でもない、「告示」で、52年間もの間獣医学部の新設を認めてこなかった問題点を指摘されています。

そして、本来であれば「告示」を廃止して自由競争にするのが正しいであろうが、各種業界団体との関係なども勘案して、国家戦略特区でやるという結論に至ったと。

 

すごく自然な流れを説明されているように感じます。

 

そして、前川氏が言う「4条件」がクリアされていないという主張に対しては、

1既存の獣医師養成でない構想が具体化されているか⇒具体的な構想が示されていた

2新たに対応すべき分野の具体的な需要はあるか⇒京都府からもライフサイエンス研究など需要があった。製薬業界からも獣医師のニーズが拡大しているが人材がない
3既存の大学・学部では困難か⇒既存の学部では答えきれておらず新設が必要、口蹄疫や鳥インフルエンザなど獣医療が多様化する中、対応できない大学がある。実習に課題がある。規模の小さい大学に課題が多いという指摘あった。
4近年の需要動向も考慮し、全国的な見地から検討⇒産業獣医師のニーズがある。新たなニーズもある。

と仰っています。

まぁこれは要約していますが、各条件に対して真摯に答えられていました。

 

きちんとした理由をもって、なおかつ挙証責任がある文科省がその当時4条件を満たしていないことを立証できなかったわけですから、4条件を満たしていると捉えることにおかしさは特に感じません。

 

そして、総理が加計氏と友人だったことは知らず、総理からの介入もなかったことも証言されています。

 

加戸前愛媛県知事

そして、午後は前愛媛県知事加戸さんが参考人としていらっしゃいました。

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 加戸知事は獣医学部の必要性をしきりに語っておられました。

「獣医師会は、箱根から東に8割、箱根から西には2割しかない。特に空白地域である四国には、獣医学部が必要である」

 

「先端サイエンス、感染症対策という日本人の生命に関わることに関して、欧米に負けないように、獣医師を育てることが必要であるのにもかかわらず、「今治はだめ」と獣医師会の抵抗にあってきた。」

 

「薬学部は何校でもつくることができる。獣医学部だけが告示が出ていて、獣医師会の強い反対で、増設ができない。そんなことはおかしい。なんども門前払いを喰らってきた。今回の件で、行政の歪みが正された。

 

「行政の手続き論ばかり語られている。国政ではもっと大きな国のことを考えることが重要である。獣医師が本当に必要であり、獣医学部を今治に作ることの重要性について全く議論されていないことが寂しい。」

 

と、獣医学部の必要性、そして本来であれば、獣医師の育成の重要性が論議されるべき国会で、行政の手続き論という小さな話がされる国会に疑問を投げかけておられました。

 

非常に情熱あふれる答弁でした。

 

加戸氏のおっしゃる通り、本当に国民のための議論であるならば、実際に獣医学部が必要なのか、現在の獣医学部の現状、告示で規制されてる歪んだ文科行政について議論されるべきですが、一切ありません。

 

二人の「規制突破」側の答弁

ということで、規制を突破する側の答弁を見てきました。

こちらは、初めて聞く話がほとんどで、非常に有益であったと思います。

 

これらの証言を聞けば、獣医学部の新設が必要であること、少なくとも議論しなくてはならないこと、そしてその過程に総理の意向が働くことはなかったことは見えてくるのではないでしょうか。

 

まぁ予想通りですが、夜のニュースでは、この二人の証言はほとんど取り上げられていませんでした

 

青山氏の指摘

そして今回は参議院で青山繁晴さんが質問に立っておられました。

非常にわかりやすい質問で、理路整然とされていたと思います。

 

 

そこで特に重要だという指摘を2点取り上げておきたいと思います。

200人以上定員超過の現状

まずは「現在獣医学部は定員オーバーで学生を取っており、学生が教室に入りきれなかったり、実習をまともに受けられない環境もある」という指摘です。

 

これは非常に重要な指摘で、獣医学部が足りていないことを証明する話でしょう。

現状でも200人を超える定員超過の学生がいて、文科省はそれを是正しようとしているわけです。

そういった状況において、160人の定員の獣医学部を新設することの妥当性というのは、ごくごく自然に考えれば、当然あるのではないでしょうか。

 

総理が口を出すような問題ではない

そして次に「今回決定されたのは、課長級の話し合いであって、そこで決まった話に総理が口だしすることはありえない。数々の取材で明らかだ。」という指摘。

 

これまた重要な指摘で、次官級の重大な案件ならともかく、局長級の話し合いで文科省の敗北で話がついた後に、総理がわざわざ口出しするということは、常識で考えても考えられないでしょう。既に終わっている話ですしね。

 

そこから、青山氏は「この総理の意向というものは、敗北した文科省が内部の言い訳のために用いた文言なのではないか」という鋭い指摘をされていました。

 

これは結構指摘されていることで(テレビでは出ませんが)、内閣府との争いに敗れた文科省が何とか理由付けをしようとしたのではないかというものです。

そこで「総理の意向」があったから負けてもしょうがない、という言い訳に使おうとしたのではという推測です。

上の話とも絡めても、説得力はあると思います。

 

などなど、加計学園の選定過程に問題がなかったのではないかということを理路整然と質問されておられました。

 

フルは動画でご覧いただければと思います。

www.youtube.com

 

野党の「甘い」質問

なにより、今回思ったのは野党の追及が甘いな〜ということでした。

 

「言った」「言ってない」の水掛け論に話を持って行き、望みの答弁を引き出せるわけがないのに、「言ったのか?」などと質問をし、時間を無駄に浪費する場面が目立ちました。

 

水掛け論の話に持ち込んでも、結局は答えは出ないのですから、限られた時間で政府を追求する上では、そこをつくメリットは少ないのではないでしょうか。

 

そして、前川氏の参考人招致を散々要請したきたわけですから、あっと驚く新事実や、新しい角度の質問が見れるのかなと思ったら、記者会見で出たような質問に終始しました。

 

そして、新しい原委員、加戸前知事に関しては、野党4党は一人たりとも質問しませんでした

まぁ半ばわかっていたことですが、野党が真相を追求したいのではなく、内閣を貶めたいだけである、ということがわかりました。

真相が追求したいのなら両論を聞くはずですからね。

蓮舫さんの質問

そして一番「これは、、」と思ったのは蓮舫民進党代表の質問でした。

 

まず蓮舫氏は稲田防衛大臣の問題の指摘から入りました。

しかしながら、その質問は官房長官会見ですでに記者がなんどもした質問の繰り返しのような質問で、案の定同じような回答が飛んできて、最後には「国民が判断するでしょう」という、何とも言えない捨て台詞を残して、次の話題に移りました。

 

そして、その後も前川氏の辞任を巡る、菅官房長官の「恋々として地位にしがみついていた」という言葉を今更再び問題視して、これまた、前川氏と菅官房長官の水掛け論に終わり、そのまま時間を使いきり終わってしまいました。

 

これを見ていて、「政府は嬉しいだろうなー」と思っていました。

今まで出てきた質問と同じ質問をするのであれば、今までの答弁を読むだけでいいですし、相手の質問時間を削れますしね。

 

時間の無駄遣い

このような本質をつかない、前川氏の名誉を守るために質問しているのか?と思わせるような質問は、時間を無駄に浪費して、政府を助けるだけだろと思いながら見ていました。

反安倍の人たちからしても、このような中途半端な追求能力では満足できないのではないでしょうか。

終わりに

ということで、原委員、加戸前知事の発言は新鮮で興味深い部分もありました。

しかしながら、前川氏の発言は既出のものがほとんどで、参考人招致の意味はあったのだろうかと思わせるようなものでした。

 

竹下自民党国対委員長が言う通り、国会でやる議論だったのか非常に疑問視せざるをえません

 

そして、今回の前川氏の参考人招致では事態は動かないでしょうから、次の総理入りの予算委員会でどれだけ疑惑を払拭できるかが重要となるでしょう。

安倍総理が自らの口で真摯に語れば、きっと伝わると信じたいところです。

まぁ現実は厳しいのでしょうが。

 

24日の前川前事務次官参考人招致はこちらから

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