9月13日、都民ファーストの野田数代表の辞任を受けて、新代表になった荒木都議による、新代表就任の会見が行われました。
代表選定過程が、民主的手続きによらない、一切表に出ないもので、事前の報告がないことに対する所属都議からの批判の声も聞こえていました。
そこで今回は、新代表が会見で語ったこと、代表選定の不透明なプロセスなどについて見ていきたいと思います。
代表選考委員会
先日突然の野田数代表の辞任の報を受けて、都民ファーストは荒木都議を代表に選出しました。
まず、当選一回の都議が突然代表になったことに対する驚きを持って迎えられたことでしょう。
さらには、その選定過程が、民主的なものではないことも話題になりました。
都民ファーストは、代表選考委員会と呼ばれる党の役員によって、荒木都議が代表になることを決定したとのことです。
この決定プロセスには、特別顧問として小池東京都知事も関与しているとのことです。
都議会第1会派の代表を、代表選考委員会という一部のトップのみで決定することに、都民ファーストの都議から不満の声も聞こえてきます。
そして、その選定プロセスについても明らかにされておらず、都知事選・都議選を通じて、自民党が一部のトップの決定で都政を動かしているブラックボックスであるとの批判を展開していた党の行動とは思えない行動と断ずる他ありません。
荒木代表会見
このように様々な問題点を指摘されながら、新代表に就任した荒木代表の会見が行われました。
手続きはこれでいいのか
当然今回のブラックボックスとも取られる、代表決定過程に関する質問が数多く飛びました。
民主的手続きじゃないのでは、手続きに瑕疵はないのかとの質問に対して、
「党の規約に基づいて行っているので問題はない」という回答を繰り返し、あくまで党の規約どおりに行ったものとして、これが都民ファーストのやり方で問題はないということを強調しました。
そして、党の規約に従ったということであれば、党の規約を変更する意向はないのかという質問に対しては、「今後検討する」といったような回答で、明快な回答は示されませんでした。
二元代表制に反するのでは
そして、こちらは以前より懸念のあったことですが、二元代表制としての役割を果たしているかというポイントについても質問が飛びました。
これは、小池都知事の行動を、都議会の最大会派たる都民ファーストが監視機能を働かせることができるかということに他なりません。
そのうえで、今回の代表の決定プロセスに小池都知事が特別顧問として、関与していたことから、二元代表はまもられるのかという懸念が当然生じます。
さらに、小池都知事は都議選の翌日に都民ファーストの代表を辞任する際に、今後は都政に専念し都民ファーストには深く関わらないようにと発言しておきながら、最も深いとも言える、代表の決定にかかわっていたことからも今回の決定に懸念が持たれていました。
これについて荒木代表は「党の代表の決定に関するもので、まったく反しないと思う。ともに進めるのが悪いというわけではない。心を込めて魂を込めて議員をやっているので安心してください」と発言しました。
党の代表とはいえ、都議会最大会派の代表ですから、明快な回答とはいえません。
取材規制に関して
都民ファーストの問題点として以前から指摘されているのが、党の都議に対して、勝手にコメントさせないようにして、党を通してのみの取材しか受け付けないとの姿勢を示していることです。
さらには、アンケートについても、党が示す模範回答をそのまま回答する議員も多く、取材規制を敷いており、情報公開を訴える党の行動とは思えないとして批判の的になってきました。
そこで、取材に対して「ノーコメント」を貫く議員が多いことを尋ねられ、荒木代表は「各議員の判断である。」として、党がかかわっているわけではないことを強調しました。
これを受けて、これからは取材規制はしないのか、党にお伺いをたてる必要はないというふうにするのかを再度問われた荒木代表は、「党が決定することに問題があるとは思っていない」として、引き続き党が手綱を握る姿勢を示しました。
このように、党は関係ないと口ではいう一方で今後も取材規制を行っていく姿勢をしめしており、情報公開を標榜する都民ファーストの姿勢に疑問が残ります。
最後に
ここまで、都民ファーストの荒木新代表の会見でのやりとりについて、注目すべきポイントを見てきました。
上述のように、情報公開とは逆の方向にひた走る姿勢を示す、代表の交代劇となりました。
党の看板とも言える情報公開に逆行する行動が、都民ファースト小池都知事からは数多く見られすぎています。
とはいえ、都民からの圧倒的信託を受けたのですから、頑張ってもらうほかありません。
一刻も早く改善されることを望みます。