桜咲き誇れ

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民進党代表選挙の仕組み・現在の情勢・世論調査の厳しい結果などについてわかりやすいまとめ。

最終更新日9月1日 最新の情勢を追加しました。

(追記)

前原新代表が誕生しました。

詳細や今後の展望についての記事はこちら。

www.blossoms-japan.com

(追記終わり)

 

 

昨日民進党代表選挙の告示日で、いよいよ民進党代表選挙が始まりました。

民進党代表選挙への国民からの期待感は非常に薄いですが、腐っても野党第1党の代表選挙ですから、重要であることは間違いありません。

 

これまで当ブログでも代表選挙の見どころや、両陣営の相違点、経済政策の内容については論じてきました。

 

一方、代表選挙の制度論や、国民からの関心、現在の情勢については取り上げてきませんでした。

実際に民進党の代表選挙とは言ってもどういった仕組みで決定するのかについてよくわからないという方がほとんどでしょう。

 

そこで今回は、民進党代表選挙の仕組み、現在の両陣営の情勢、国民からの民進党代表選挙に対する世論調査の結果など、政策の争いとは一歩外側の分野について見ていきたいと思います。

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民進党代表選挙の仕組み

民進党代表選挙は、その名の通り選挙によって決定されます。*1

出馬の条件

まず出馬するのにも条件があって、党所属の国会議員20名以上の推薦者が必要となります。

井出庸生衆議院議員が、出馬を模索したが断念したと報道がありましたが、その理由はこの推薦者が集まらなかったからということです。

誰でも出れるものではないということです。

 

ちなみに、今回の枝野前原両陣営の推薦者は以下の通りです。*2

■前原誠司氏推薦人

〈衆院〉 阿部知子、大島敦、北神圭朗、黄川田徹、菊田真紀子、小宮山泰子、篠原孝、原口一博、古川元久、伴野豊、牧義夫、松木謙公、松野頼久、鷲尾英一郎、渡辺周

〈参院〉 足立信也、風間直樹、川合孝典、古賀之士、小林正夫、桜井充、榛葉賀津也、牧山弘恵、増子輝彦、柳田稔

■枝野幸男氏推薦人

〈衆院〉 赤松広隆、逢坂誠二、岡田克也、菅直人、近藤昭一、佐々木隆博、辻元清美、寺田学、中川正春、長妻昭、西村智奈美、横路孝弘

〈参院〉 相原久美子、有田芳生、石橋通宏、江崎孝、大野元裕、斎藤嘉隆、芝博一、杉尾秀哉、徳永エリ、那谷屋正義、鉢呂吉雄

 

有権者

国政選挙のように一票の価値が同じで民進党支持者が決定するなどといったものではありません。

 

民進党代表選挙に投票できるのは、民進党の

  • 国会議員(142人)
  • 国政選挙公認候補予定者(127人)
  • 地方議員(約1500人)
  • 党員・サポーター(約22万8000人)

大きく4種類の方達で、この方達の投票によって決定されます。

 

投票の価値

そして、これらの方の投票の価値は同じではなく、

  • 国会議員が一人2ポイント
  • 公認予定者が一人1ポイント
  • 地方議員表票は得票数に応じてドント方式で配分
  • 党員サポーター票は、県別のポイント数を得票数に応じてドント方式で配分

という形になっています。

ドント方式とは、国政選挙でも使われているシステムで、まぁざっくり、得票数に応じてポイントを割り振るシステムと理解してください。

詳しく知りたい方はwikiなどでご覧ください。

ドント方式 - Wikipedia

 

そしてそれぞれに割り振られるポイントの総数は

  • 国会議員:284ポイント
  • 公認予定者:127ポイント
  • 地方議員:209ポイント
  • 党員・サポーター:231ポイント

という形になっています。

ちなみに地方議員、党員・サポーターのポイント数は、国会議員と公認予定者のポイントの合計の半分だけ割り当てられて上記のポイントになっています。

 

そして、上述の通り、地方議員と党員・サポーターが占める割合は、半分を超えるので、非常に大きな影響力を発揮します。

昨年の蓮舫候補が、地方議員、党員・サポーター表で他候補に圧倒的なさをつけて勝利したことは記憶に新しいかもしれません。

ですから、国会議員票はもちろんですが、地方の票をどれだけ獲得できるかが、代表選の勝利を左右するということになるでしょう。

投票日

そして、この投票は、国会議員・公認予定者は臨時等大会当日に、地方議員、党員・サポーターは、臨時等大会の数日前にハガキなどで投票を完了させます。

昨年蓮舫代表が、地方議員、党員・サポーターの投票が終わった後に、二重国籍状態であったことを告白して、そのタイミングを投票を考慮してしたのではないかと批判されたことも記憶に新しいでしょう。

両陣営の情勢

読売新聞によると現在の国会議員票の情勢は、前原氏優勢で進んでいると報じられています。

前原氏が獲得している国会議員が72人、枝野氏が獲得しているのが25人、明らかにしていないのが45人という状況となっています。

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(読売新聞)

ご覧のように前原誠司氏が半数以上の国会議員の支持を獲得していて、優勢と見られています。

ただ45人が態度を明らかにしておらず、今後の展開次第で、枝野氏が国会議員票で巻き返す可能性はあります

 

しかしながら、上でも述べた通り、国会議員票は重要とはいえ、三分の一であり、残る票、とくに地方議員、党員・サポーター次第で情勢はひっくり返るでしょう。

前原氏は、連合や、野党共闘に反対する民間労組などにアピールをしており、枝野氏は自治労や日教組へのアピールを強めています。

さらに枝野氏は地方議員を大事するなどのアピールや、電話がけも積極的に行っていると伝えられており、9月1日にまでの、地方遊説で状況は大きく変わる可能性もあるでしょう。

 

追記

共同通信より最新の情勢調査が発表されました。*3

共同通信社は26日までに、民進党の47都道府県連幹部に聞き取り調査を実施、代表選の地方での支持動向を探った。国会議員票で優位に立つ前原誠司元外相(55)が17府県の支持を得て、13都県が支持すると回答した枝野幸男元官房長官(53)に先行していることが分かった。未定とする幹部も多く9月1日の投開票まで情勢が変化する可能性がある。次期衆院選での野党共闘継続を求めたのは19都道県で、12県が「やめるべきだ」とした。

 地方票でも前原氏が優勢を築いているとの報道です。

 

追記

読売新聞からも最新の情勢調査が発表されました。*4

民進党代表選(9月1日投開票)について、読売新聞社が国政選の公認候補予定者(127人)と都道府県連幹事長の動向を調査したところ、公認予定者の5割近くが前原誠司・元外相(55)を支持し、1割強にとどまる枝野幸男・元官房長官(53)をリードしていることが分かった。 

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前原氏は公認予定者の半数60人の支持を固めた一方、枝野氏は16人しか獲得できていない状況と読売新聞は報じています。

態度を決めていないのが51人とのことです。

さらに地方議員票、党員・サポーター票に大きな影響を与えるとも言われる各地方組織の幹事長の支持も前原氏がリードしている状況です。

国会議員票、公認予定者、地方票、全てで前原氏がリードをしている状況で枝野氏としては厳しい状況とも言えるでしょう。

 

前原支持の理由としては、野党共闘の見直しが大きいとのことです。

追記

現在民進党代表選挙のための臨時党大会が開催されています。

各紙、前原代表誕生への見出しを掲げている通り、前原氏新代表誕生の見込みが非常に高くなっています。

news.yahoo.co.jp

国民からの民進党代表選挙への評価

最後に、国民の今回の民進代表選挙に対する姿勢についても見ておきたいと思います。

 

19、20日に産経新聞とFNNで行われた世論調査で民進党代表選挙に関する項目がありました。

まず民進党の支持率は6.9パーセントと微減という結果で、回復基調の自民党と5倍近くの違いがあるという非常に厳しい結果となっています。

 

そして、民進党が政権交代可能な党になるかという質問に対しては、「思わない」という回答が80パーセントで、国民からの関心は薄い代表選挙という非常に厳しい結果が出ています。

さらに民進党支持層の55.1パーセントも「思わない」という回答で、支持層からも期待を失われつつあります

 

そして、今回の代表選挙の大きな争点の一つである野党共闘のあり方について、マイナスになるという回答が59.1パーセントと国民からのアレルギーは根強い結果が出ています。

さらに、民進党支持層に限っても、マイナスが約6ポイント上回り、反発が強い結果になっています。

 

いずれにせよ、民進党が政権に就くためには、国民の多くを占めると言われる穏健保守からの票の獲得は不可欠であり、野党共闘がこの層からの投票を逃す結果となり、万年野党化を招く結果になるであろうことは、世論調査の結果からも明らかでしょう。

民進党が野党共闘を続ける限り政権の座にはつけないということに関しては、以下の記事で詳しく書いていますので、よろしければご覧ください。

 

ちなみに、どちらかが代表にふさわしいかに関しては、前原46.4パーセント、枝野43.5パーセントと拮抗しています。

 

終わりに

ということで、今回の民進党代表選挙で代表がどのように決定されるのか、世論調査の結果などについて見てきました。

 

上述の通り、国会議員票では前原優勢が報道されていますが、残る票がどうなるかによって、情勢は大きく動くことになるでしょう。

 

そして、国民からすれば、民進党の代表選挙がどうなるかに関しての関心が薄いことを示唆する世論調査が出ており、民進党の党勢を含めて、非常に厳しい結果となっているでしょう。

さらに野党共闘に対する反発が根強いことも明らかで、政権に就くためにどうするべきかについては真剣に考えるべきでしょう。

 

いずれにせよ、民進党の最後の代表選挙になるかもしれない、今回の代表選挙です。

国民からの興味は薄いようですが、その結果次第で民進党の運命がどうなるかも大きく左右されることでしょう。

注目したいところです。

 

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