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【追記あり】都知事特別秘書の給与公開訴訟についてわかりやすく解説。問われる都知事・都民ファの情報公開に対する姿勢

最終更新日8月23日 給与が公開されたので追記。

今回は小池都知事に関する報道について。

東京都の小池知事が任命した2人の特別秘書の給与について、都が情報を開示しないのは不当だとして、東京のフリージャーナリストが情報公開を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

 ということで、フリージャーナリストが小池知事が任命した特別秘書の給料を公開しないことを不服として裁判を起こしたという記事です。

 

ちなみに特別秘書の一方は、都民ファーストの会代表の野田数氏です。

この報道は、またまた小池都知事の情報公開に対する姿勢が問われる非常に重要なものだと思うので詳しく見ていきます。

 

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特別秘書

そもそも特別秘書とは何かについて見ておきます。

特別秘書に関する規定は、地方公務員法第三条に規定されています。

『地方公共団体の長、議会の議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職』のうち、条例で指定するものを特別職とすることができ、これを一般に特別秘書(特別職秘書)と呼ぶ。*1

東京都では、知事は2名以内まで 特別秘書をつけられます。

 

特別秘書のメリットとしては、特別職扱いなので、地方公務員法の制約を受けずに、職務に当たることができます。

地方公務員法では政治活動に関する制限が一応存在しますから、政治に強く関わる案件に関しては、特別秘書にやらせることができるというメリットがあるわけです。

現に実質的に都知事の政党の代表を特別秘書がやっているわけですからね。

 

東京都の対応

東京都では、都民ファーストの会代表の野田数氏と元読売新聞記者の宮地美陽子が任命されています。

そして、フリージャーナリストが先月に情報公開請求を行ったところ、職員別給与簿が公開されましたが、氏名性別などを除いて、ほぼ黒塗りで、給与情報に関する情報は開示されませんでした。

ちなみに、こちらがのり弁になっている給与簿。ほとんどの情報が隠されています。*2

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そこで、今回東京都を相手取り、情報公開を求めて東京地裁に訴えたわけです。

 

訴えによると、大阪市や横浜市の市長の「特別秘書」の給与は条例に則り公開されているということです。

参考)大阪市長吉村氏のツイート

 

条例の問題点

今回の報道でまず問題にすべきなのはずさんな条文にあるでしょう。

上述の通り、大阪市などでは、条例でその給与や公開などについて規定されています。

 

しかしながら、東京都では、公開はもとより、その給与額に関する規定もないため、知事が決定することになっています。

ですからやろうと思えば、知事がいくらでも青天井に税金から給与を出すことだって可能な条例になってしまっているわけです。

 

そして、今回指摘された特別秘書の「秘書」も存在するとの問題点が、自民党の川松都議から指摘されています。

 

このように、そもそも条例の立て付け事態に問題があるということはまちがいないでしょう。

問われる情報公開のあり方

そして、今回の報道の何よりの問題点は、小池都知事・都民ファーストが一丁目一番地として取り上げてきた「情報公開」と大きく逆行する行動だということです。

小池都知事や都民ファーストが、選挙期間中などに過去の体制を批判する際に、黒塗りつまりのり弁の形式を痛烈に批判していたことを覚えている方も多いでしょう。

さらには、上述の通り、知事がいくらか自由に決められる状況で、その金額を公開しないというのは、まさにブラックボックスと断ずるしかありません。

 

大阪市や横浜市の市長の特別秘書の給与が公開されていることからも、東京都が公開しない合理的説明は考えづらいものとなっています。

なにより、給与を受け取っているのが、都民ファーストの会の代表であるのにもかかわらず、黒塗りというのはあまりに皮肉が効きすぎています

 

そして、小池都知事・都民ファーストには「情報公開」を掲げた選挙公約が本当のものなのかと疑わざるをえない報道が多数存在します

都民ファーストの議員の取材規制や、小池都知事の市場に関する決定を密室で決定し、その過程の文書が存在しないなど様々です。

小池都知事はこういった情報公開と逆行する行動を繰り返しているわけで、今回もまたその姿勢が問われています。

 

都民ファーストに問われる「異論を言えるか」

さらに、姿勢が問われるのは都民ファースト側です。

仮に小池都知事が、情報公開に応じるかどうかは訴訟に任せるという、積極的な情報公開に応じない姿勢を示したのだとすれば、二元代表の議員として、都民ファーストの議員たちが「それは情報公開と逆行する」と声を上げられるかどうかです。

 

以前より、都民ファーストの会は、小池都知事のイエスマンではないのかと疑問を投げかけられ、新聞によるアンケートに対しても、都民ファーストの事務局が示す模範解答を大半の議員が回答する姿勢を示しており、まさにイエスマンの疑問通りの方向に突き進んでいます

 

その疑惑を払拭するためにも、ここで小池都知事に声を上げられるという姿勢を見せていただきたいところです。

 

終わりに

ということで、今回の情報公開訴訟では、ただの一訴訟ではなく、小池都知事・都民ファーストの掲げてきた一丁目一番地、「情報公開」に対する姿勢が問われるものです。

 

なにより、都民ファーストの会が、都知事・代表に異論を掲げて、二元代表制の役目を果たして、異論を唱え、正しい方向に向かわせることができるのかについても、強く問われます。

 

今後の対応にも注目が集まります。

追記

8月23日、高まる批判の声を受けて東京都は特別秘書の給与を公開しました。

特別秘書について

 

これによりますと、月額約70万円、年額約1400万円が、一人の給料ということで、これを二人分ということになります。

大阪市の特別秘書の給与が月額27万円ですから、さらには野田数氏は都民ファーストの代表でもありますから、ちょっと衝撃的な金額でもあります。

東京都が高いのか、大阪市が安いのか、いずれにせよまだまだ注目が続きそうなお話です。

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