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「日本ファーストの会」発足「政策はない」発言から見えるポピュリズムの危険性・政治団体と政党の違い・驚きのその名称

最終更新日8月17日

本日、若狭勝衆議院議員が政治団体「日本ファーストの会」の発足を発表しました。

同時に政治塾を発足させることも明らかにしました。

 

まさかの「日本ファーストの会」という名称には驚きました。

 

それと同時に、政治団体ってなんぞや?自民党みたいなもの?政党との違いは?という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、政党と政治団体の違い、そして若狭議員の会見など日本ファーストの会の展望について見ていきたいと思います。

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政治団体

今回発足する「日本ファーストの会」は、自民党や民進党のような政党なのかというとそれは違います

 

政治団体は以下のような団体のことを言います。

(1) 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること
 (2) 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること
 また、下記に該当する団体については、政治資金規正法上、政治団体とみなされます。
 (1) 政治上の主義又は施策を研究する目的を有する団体で、国会議員が主宰するもの又はその主要な構成員が国会議員であるもの(いわゆる政策研究団体)
 (2) 政治資金団体
 (3) 特定パーティー開催団体(政治団体以外の者が特定パーティー(政治資金パーティーのうち収入の金額が1,000万円以上のもの)になると見込まれる政治資金パーティーを開催する場合には、当該政治団体以外の者を政治団体とみなして政治資金規正法の規定の一部が適用される。)

 まぁ平たく言えば、政治的活動を行う団体、そしてそれに伴って資金を取り扱うための団体ということです。

 

そしてその中でも

  • 国会議員が5人以上
  • 前回の衆院選または前回・前々回の参院選で得票率が2パーセント以上

のいずれかを満たす団体のことを「政党」と言います。

 

そして、政党になれば何がいいのか。

それは政党交付金が得られるということです。

その金額は、所属国会議員の数などによって金額が変わりますが、最低レベルでも億単位の金額です。

ですから、4人と5人では全く意味が異なってくるということになります。

 

政党交付金を得るために、小沢さんが「生活の党と山本太郎と仲間たち」などという屈辱的な名前を受け入れて共同代表となったことも記憶に新しいでしょう。

 

そして、今回の「日本ファーストの会」は「その他の政治団体」に該当すると思われます。

ですから5人集まっていないのになんで政治団体を立ち上げられるんだろうと思った方もおられるかもしれませんが、あくまで「政党」ではないということです。

総務省|なるほど!政治資金 政治団体とは

日本ファーストの会

そして今回立ち上がった日本ファーストの会ですが、実質的に国政に向けた小池新党であることは間違いありません。

同時に立ち上げが発表された、政治塾「輝照塾」の初回の講師が小池都知事であることからも明らかです。

 

若狭勝衆議院議員は、会見において、昨年の都知事選、今年の都議選で示された民意に答えるべきだと答えている通り、拡大して国政政党を作るための前段階ということでしょう。

 

そして、会見で若狭氏は、自民党でも民進党でも問わないと仰っていました。

これを受けて、離党したばかりの細野氏などが集まることは予測されますし、仮に民進党代表選挙で前原氏が敗れれば、また民進党の代表選の結果はどうあれ支持率が伸びなければ、選挙に向けて、小池人気にあやかろうという議員たちが集まるであろうことが予測されます。

名前に驚き

冒頭にも申し上げた通りにこの「日本ファーストの会」という名前にも非常に驚きました。

 

アメリカファーストを訴えたトランプ大統領を連想させる党名で、反自由主義・保護貿易・排外主義とも取られかねないその名前に非常に驚きました。

とりあえず、なんとかファーストとつけたくて適当につけたのかなとしか思えない名前でした。

 

そして何より日本ファーストというのは、都民ファーストと相反する概念です。

今日本ファーストを日本の再興を考えるのであれば、東京への富の集中権力の集中、人の集中を防ぎ、権力を地方に分散させ、地方再興を行うことは不可欠でしょう。

 

しかしながら、東京の利益を分配し地方再興を行うことは都民ファーストという言葉とは明確に反するということです。

このことからもこの名前には非常に驚かされました。

 

そして英語に訳した時には「Japan First Party」となります。

これは桜井誠さんが率いる「日本第一党」の英語呼称と同じです。

 

これらを含めても、しっかりと考えているのか疑問視せざるをえません。

政策はない?

そして、若狭議員はこの会見で気になることもおっしゃいました。

それは軸となる政策は特にないということです。

 

政策は特になくて、優秀な人が政治塾に入って多様な考えで収斂していくのだと仰っていました。

さらには政治のプロではなく多様な人材が必要だともおっしゃいました。

 

しかし、国政を語る上で細かな政策はさておいても、軸となる経済、安全保障などで政策がなく、集まってその都度人気の政策を考えるというのでは投票のしようがありません

そして何より、政策よりも規模、政権交代で集まった民主党政権がどうなったか、そして現在どうなっているかを見れば、政策の関係のない烏合の衆では国政が務まらないことは明らかです。

 

政策はいいんだと言い切ってしまう若狭議員がトップのこの団体の行く末がどうなるかは非常に不安でなりません。

 

そして若狭議員の受け答えから本当に大丈夫なのだろうかと感じたのもまた事実です。

 

終わりに

ということで、政治団体と政党の違い、日本ファーストの展望について見てきました。

 

何より気になるのは最後の政策はないんだということです。

民主党で政策が固まっていないバラバラの政党は、ガバナンスのきかない政党は失敗するということを学んだはずです。

 

しかしながら、昨今の反安倍の流れを見れば、日本ファーストが一定の勢力を握ることも十分に考えられます

政策は特にないけど、なんとなく新しくて、なんとなくクリーンなイメージ、自民党でないということで選ばれるということも十分にありえてしまいます。

 

このようないわばポピュリズムによって政治の行く末が決まってしまうことは非常に危険です。

その名前からもアメリカファーストを唱え、ポピュリズムの勝利として当選したトランプ大統領を連想させる勝利を収めるかもしれません。

トランプ大統領をここで批判するつまりはありませんが、ポピュリズムの危険性は3年3ヶ月の民主党政権で十分学んだはずです。

 

仮に国政に進出するにしても、しっかりとした経済政策安保政策を持って、政策で戦うような国政政党となるように軌道修正されることを切に願います。

 

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