明日は8月15日。終戦の日です。
ポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦が終結した日です。
二度と戦争の惨禍を繰り返さないということを強く願う日でもあります。
そして終戦の日が近づくと毎年話題になるのが靖国参拝です。
みなさんも、終戦の日に靖国神社に参拝するというニュースを一度は目にしたことがあろうかと思います。
そして周辺諸国、中国や韓国が反発するということもまた報道で目にするでしょう。
でも、靖国神社ってそもそも何なの?靖国参拝をする意味は?靖国参拝で中国はなぜあれだけ反発するの?などという疑問をお持ちの方も多い方お思います。
そこで今回は、これらのことに関して、靖国神社に関して、そして参拝を批判する側、参拝すべきだという側の考えについても、できるだけ簡潔に、わかりやすく解説していきたいと思います。
反発する側、参拝する側の両論を併記しますので、判断の参考になれば幸いです。
靖国神社とは
靖国神社は明治二年に創建された東京都千代田区九段北にある神社です。
しかしただの神社ではありません。
靖国神社には、ペリー来航以来日本国内外の戦争など、国事に殉じた戦没者を英霊として祀られています。
つまり、明治維新政府の立場から見て、国のために殉じた人を全員祀っています。
よく中韓の反発から、第二次世界大戦の戦没者のみを祀っていると勘違いされがちですが、戊辰戦争も日清戦争も日露戦争もすべての国事に殉じた方が祀られています。
ですから、国のために殉じる危険に飛び込む軍人の方々が、「靖国で会おう」といって旅立ったわけです。
A級戦犯合祀
靖国神社でもう一つ捉えておきたいところが、1978年のA級戦犯合祀に関してです。
A級戦犯とは、日本の戦争犯罪について連合国がさばいた東京裁判で、平和に対する罪を犯したとされ裁かれた戦前の日本の指導部の方々のことです。
このA級戦犯を1978年に合祀していたことが、朝日新聞の報道によって広く知れ渡り、靖国参拝をめぐって、戦前の行いを肯定するものだとして、国内での反発や周辺諸国からの反発を起こす原因とも指摘されています。
中韓が反発する理由
そして政府要人の靖国参拝に関しては、中国と韓国が日本政府に対して抗議をおこなっています。
その発端は1985年、中曽根総理が靖国神社に公式参拝を表明したことに関して、朝日新聞が大大的に報じ、それによって中国韓国が首相の参拝に関して抗議したことから始まります。
その抗議を受けて、中曽根首相が中韓に配慮する形で翌年以降の公式参拝を取りやめたことで、外交問題化しました。
それ以降首相の公式参拝は一度も行われていません。
中韓政府の建前としては、A級戦犯合祀されているところに参拝するということは、戦前の侵略を肯定化することにつながるという理由から反発しています。
しかしながら、合祀から1985年までの間首相の参拝があっても抗議がなかったこと、そして1985年以降首相のみならず他の閣僚に関しても、そして合祀に関してもA級だけでなくBC級も、とどんどん批判の範囲を拡大していることからも、外交問題化して、日本に対するカードを握るための反発であるとの指摘もあります。
死者に対する意識の違い
しかしながら、中韓政府が外交問題化したいという思惑があったとしても、中韓の一般国民は靖国参拝を戦前を肯定することにつながるという理由で反発しています。
私の中韓の友人も、靖国参拝は中韓への侵略を美化することで全く理解できないと言っていました。
これには、日本と中韓の死者に対する意識の違いが根底にあろうかと思います。
日本では、死者に対しては、敬意を表し、死ぬ前の行いに関していつまでも非難し続ける、つまり死者に鞭を打つということを嫌う宗教観が一般的でしょう。
しかしながら、韓国、特に中国では死者は悪人であればいつまでも悪人で、墓を掘り起こしてでも、死者にムチ打つという宗教観を持っておられます。
別にどちらがいいというつもりはありません。
あくまで死生観や宗教観についての認識に大きな隔たりがあるために、日本人としては、戦前の行為がどうこうではなく、国のために殉じたもののために祈りを捧げるという行為であっても、中韓の死生観からすれば、それは死者の所業に対して肯定しているという捉え方になります。
こういった隔たりが靖国神社を問題化している根底にあるとも言えます。
国に殉じた人
しかしながら、国家のために殉じた人に感謝と祈りを捧げるということは当然のことでもあります。
これは何も日本だけでなく、アーリントン墓地や無名戦士の墓など諸外国でも国事に殉じたものに敬意を表するということは行われています。
最近ではプーチン大統領が大雨の中傘をささずに無名戦士の墓に祈りを捧げる画像が話題となっていました。
そして、例えばアーリントン墓地に祈りを捧げたとしても、奴隷制度に関して賛同するという意味ではありません。
あくまで国に殉じた尊い命に対して哀悼の誠を捧げるわけです。
靖国神社は数多の神々を一つの魂として祀っています。
そして国事に殉じた魂に対して祈りを捧げるわけです。
決して、戦前の行いを賞賛するという意味で祈りを捧げるということではありません。
どんな理由であれ、日本国のためにという思いで殉じた方々の英霊が集まっているのが靖国神社です。
今現在それが非難される行いであったとしても、日本のために殉じたということには変わりありません。
そして今現在の日本はそうして殉じた人々の上にあります。
終わりに
ということで靖国神社について見てきました。
中韓が反発する理由、参拝する立場の理由の両論を併記したつもりです。
皆様がこれを見てどう感じるかは各人のご判断です。
皆様の判断の一助となれば幸いです。
靖国神社参拝に関してどう思うか、ブックマークやコメントなどで皆様のご意見も教えていただけると幸いです。
非常に簡潔に書いたつもりなのですが、靖国を語る上でこれは必要だ!間違っている!などございましたらお気軽にご指摘くださいませ。