最終更新日8月18日 続報あり
今日はこの記事について
築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で、豊洲の敷地に整備予定の観光拠点「千客万来施設」の運営会社「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)が、小池百合子知事の基本方針に基づき築地再開発が行われれば採算が取れなくなるなどとして、都に難色を示していることが11日、分かった。
豊洲で営業をしようとしていた民間企業が、小池都知事の築地再開発方針を受けて、撤退せざるをえないかもしれないというニュースですね。
これは非常に重大なニュースであります。
小池都知事の好き勝手に民間企業が振りまわされているわけですからね。
ただメディアを見ていてもあまり重視されていないように感じましたので、一体どういうことなのか見ていきたいと思います。
豊洲の観光拠点
まずなんのこっちゃわからんという人のために、そもそもどういった企業の話なのか触れておきたいと思います。
この「万葉倶楽部」という企業は、豊洲市場で「千客万来施設」という、観光施設を設立しようとしていたわけです。
江戸の町並みを再現した飲食店モールのほか、24時間営業の温泉やホテルなど、豊洲を市場だけで終わらせずに、築地のようにその周辺と一体となって豊洲を盛り上げていこうということで、東京都肝いりで東京都が公募して決定したわけです。
すごく活気が出そうですよね。
年間190万人の来場者数が見込まれていました。
江東区が求めていたように、市場を経営する上で、周囲に活気のある観光施設は不可欠でしょう。
市場と施設が一体となってこその新市場ですからね。
撤退せざるをえなくなる
ところが、今回この企業がこのままでは撤退せざるをえなくなると東京都に伝えたわけです。
これは、小池都知事が築地を再開発して「食のテーマパーク」とするプランを発表したことが原因です。
築地と豊洲は2キロぐらいしか離れていないわけです。
そんな近くに、同じような施設ができたら、客が分散して採算が取れなくなるのではとなるのは当然ですよね。
そんななかで、この企業が撤退して仕舞えば、豊洲を市場だけで終わらせない、複合的な活気あふれる場所にするというコンセプトが崩れてしまいかねません。
そして、事業期間は50年間、用地貸し付け料は月額約720万円が見込まれていることもあり、豊洲市場の採算性という意味でも問題が出てきます。
さらに、このまま撤退ということになれば、条件を変更した都には違約金の支払いが発生する可能性もあるということです。
小池都知事の勝手な変更による被害
もとより、豊洲と築地を両立するという案は、そんなことはありえないなどとして、豊洲移転、豊洲反対の両方の市場関係者から批判されてきました。
そんな中で、こういった問題が顕在化してきたわけです。
何よりこの企業は、小池都知事が豊洲移転を延期した時も、今回の豊洲と築地を両立すると発表した時も、事前の連絡、説明はもらっていないそうです。
一年待たされた挙句、連絡もなく新たな計画。
こういったから、東京都に対する不信感もあるといいます。
このことひとつをとっても、おかしいのでは?と思いますよね。
行政は継続性があるわけです。
たとえ、前の総理、前の知事が決めたことであっても、その時に約束したことは引き継がなければないこともあるわけです。
その一つがこの件でしょう。
今年の一月に予定していた建設工事の開始を見送るなど、現に小池都知事の勝手な変更によって被害を被っているわけです。
さらに、事前の説明もしないなど、企業をバカにしているのではないかという声が上がってきても仕方がないのではないでしょうか。
東京都が公募したのにも関わらずですからね。
豊洲と築地を併用するという案は、選挙前の人気取りの適当な案としては良かったのかもしれませんが、現実問題としては考えられない稚拙な計画であることが、徐々に出てきているのではないでしょうか。
終わりに
ということで、小池都知事の稚拙な案によって実害が出始めていることを表すニュースだと思います。
その割にはあまり取り上げ方が大きくないように感じますが。
小池都知事は、一刻も早く案を練り直し、築地も豊洲もなどといった八方美人な適当な案から、現実性のある案に練り直さなくてはなりません。
記者にこの件に問われても、スルーして通り過ぎていく小池都知事の姿勢は、情報公開を訴える方針とは真逆なのではないでしょうか!!
東京都の職員も、都知事と業者の板挟みのような状態でかわいそうでしょう。
都議会選挙で圧倒的な勢力を獲得したのですから、他党との合意がなどという言い訳は通用しません。
都民の圧倒的支持を背負っているわけですから、小池都知事には健全な行政運営を頑張っていただきたいと思います。
これ以上の実害が広がる前に、一刻も早い解決を望みます。
追記
築地市場(東京都中央区)の移転先の豊洲市場(江東区)で観光拠点「千客万来施設」を整備予定の「万葉倶楽部」(神奈川県)が撤退を検討している問題で、同社が都に対し、豊洲移転・築地再開発について詳細な説明を求める質問状を郵送したことが17日、同社への取材で分かった。
ということで、千客万来施設がとに対して質問状を郵送したという報道が出ました。
築地再開発に関する詳細な内容説明を求めました。
これまで東京都に対して説明を求めても、詳細な説明がなかったため、質問状という流れになったそうです。
これに先立ち8月10日には、小池都知事が質問が来ても、「何も決まってないから、お答えのしようがない」という衝撃的発言をしています。
このような何も決まっていない適当な発言で選挙を戦ったともとられかねない発言には批判が集まっています。
いずれにせよ、早急に現実的案を練り直し、千客万来施設はもちろん、五輪にも間に合うように、幻想を捨てていただきたいと思います。
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