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北朝鮮に対する過去最大の制裁決議を全会一致で採択 その中身をわかりやすく解説!存在感を増す中国【安全保障理事会】

(追記)

9月12日の制裁決議に関する記事はこちら

www.blossoms-japan.com

(追記終わり)

 

北朝鮮のICBMの発射を受けて、国連安保理は北朝鮮への8回目のより厳しい新たな制裁決議を採択しました。

 

そこで今回は、この制裁決議の内容、その意義・効果についてわかりやすく見ていきたいと思います。

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制裁決議

今回の制裁決議は北朝鮮の主な収入源である、石炭をはじめとして、鉄鉱石・鉛鉱・海産物の輸出を禁止するものです。

 

制裁の合計金額は、10億ドルで昨年の北朝鮮の輸出総額の3分の1に当たる規模です。

これは過去最大の規模で、北朝鮮に対する国際社会一致結束の非難を印象付けるインパクトのある決議となりました。

各国が厳格に履行すれば、北朝鮮に与える影響は非常に大きいものです。

 

決議採択まで

今回無事に全会一致で決議が採択されましたが、これまでロシア、そして特に中国は北朝鮮に対する制裁を反対しており、制裁決議を採択できるかは不透明な状況が続いていました。

 

その上で、アメリカが1ヶ月に渡って中国を説得し、石油の禁輸を制裁から外すことで決議採択で同意しました。

そして、ロシアもICBM発射を受けて国際的に北朝鮮に対する非難が集まっている中、賛成したという格好となりました。

 

労働者受け入れに関して

そして、これは以外と知られていないのですが、北朝鮮がミサイルを開発する上での外貨獲得には、海外での北朝鮮労働者受け入れが非常に重要なポジションを占めています。

その規模は23万人・年間5億ドルとも言われています。

 

つまり、北朝鮮人に外国に働きに行かせて、その給料のほとんどを本国に送らせるという仕組みです。

これも、北朝鮮の外貨獲得手段として抜け穴状態になっているとして指摘されていました。

 

今回の制裁決議では、各国に対して新たな受け入れを行わないようにも求めることとなりました。

 今回は新たな受け入れに止まりましたが、北朝鮮労働者の人数を減らしていくように動き、北朝鮮の外貨獲得を防いでいくことは非常に重要です。

 

さらには、北朝鮮労働者たちはその賃金のほとんどを北朝鮮本学に搾取されるという人権上の問題もあります。

 

とはいえ、中国次第

今回、このように今までで最大規模の制裁決議が採択されたことは、世界全体で北朝鮮への包囲を強めて、北朝鮮を自ら対話の場に引きずり出させるためにも非常に重要なことでしょう。

 

しかしながら、今回採択したとはいえ、この制裁が効果的に機能するかは以前中国の対応次第です。

北朝鮮の取引の9割を占めると言われる中国が厳格に履行しなければ、この制裁決議は名ばかりのものとなってしまいます。

 

6日中国の王外相は北朝鮮の李外相と会談をして、安保理決議について受け入れるように求め、ミサイル発射や核実験を自制するように求めるなど、早速制裁決議を守るように表向きは動いています。

 

中国としては、秋の党大会を控えて外交上の失点を犯したくないという観点からも、制裁決議を履行する姿勢は示すでしょうが、依然北朝鮮問題に対しては中国が大きなポジションを取るという状態が続きます。

 

終わりに

ということで今回北朝鮮に対する新たな制裁決議について見てきました。

制裁の内容は北朝鮮の輸出の3分の1という非常にインパクトのあるもので、国際社会の姿勢を強く北朝鮮に示すことができたという意味では非常に重要な意味を持つでしょう。

 

安倍総理も「圧力を一段と高い次元に引き上げなければならないとの確固たる意思を明確に示したとして歓迎しました。

 

しかしながら、中国の強烈な反対によって今回決議に入れることはできなかった、原油の輸出禁止などミサイル開発にも密接に関わってくる問題についてはまだまだ改善の余地はあります。

もちろん北朝鮮労働者の海外での労働についてもです。

 

これらのさらなる制裁についても、そして今回の制裁決議がしっかり履行されるかも中国が大きなポジションを握っていることはまちがいなく、その動向に注目が集まります。

 そして、アメリカとしても、中国に厳格な履行を求めるべくプレッシャーをかけていくことになるでしょう。

 

対話のための対話を求めても、過去のように時間稼ぎをされ、ミサイル開発のための資金を流すだけの結果に終わるでしょう。

世界が一致して圧力をかけて、北朝鮮が自ら対話せざるを得ない状況に持ち込まなければ、対話には意味がありません。

 

緊張感をます北朝鮮情勢、次は日本列島を超えるミサイル発射、もしくは核実験を断行してもおかしくないフェーズにあります。

国際社会が連携して、北朝鮮の挑発行動を止めるべく一致団結して対応していくことが不可欠です。

 

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*1:文春新書