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日欧EPA大枠合意 EPAってなんなの?メリットデメリットは?ワイン・チーズが安くなる!?分かりやすく解説

最終更新日8月16日

 

7月6日、安倍総理はEU大統領と首脳会談を行い、経済連携協定(EPA)で大枠合意したことを発表しました。

 

そこで今回は、EPAとはなんぞや、そのメリットデメリットは?などなど見ていきたいと思います。

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EPAとは

EPAとは、特定の国や地域との間で、経済を包括的に自由にする取り決めのことです。

自由貿易協定(FTA)よりも、自由化の範囲が広く、モノやサービスの取引を活発にして経済を成長させようとするものです。

 

まぁ簡単に言ってしまえば、今まで関税をかけていたものの関税を取っぱらい、いままでよりも自由な取引ができるようにする取り組みということです。

お互いの商品が、お互いの地域で安く売れることで、貿易が活発化するなどの効果が期待されます。

 

日本にとってのメリット

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(産経新聞)

今回成立する日欧EPAは、世界のGDPの3割、貿易額の4割を占める非常に巨大な自由貿易圏を誕生させるものです。

 

このような巨大な自由貿易圏の誕生は、TPPからのアメリカ離脱などで揺らいでいた日本の通商政策を立て直す上で非常に重要な意義を持つでしょう

そして日本からすれば、日本が一番優先していた、乗用車の関税撤廃が段階的に行われることになったことも非常に大きいことでしょう。

 

さらには、日本の果物、調味料、お茶などの関税も撤廃されます。

日本の素晴らしい産業を積極的に売り出していくチャンスにもなるでしょう。

 

そしてこれらの関税の緩和によって、自動車や電気製品を始めとする日本の輸出産業が活発化することは間違いなく、経済の好転につながることが期待されます

 

消費者にとってのメリット

 

そして、今回の日欧EPAは、欧州からの輸入商品が安くなることが期待されるという意味で、我々一般の消費者にも非常に嬉しいことです。

 

主なものとしては、チーズやワインやパスタなどが挙げられるでしょう。

より安い金額で本場の商品が味わえるということは、消費者として非常に喜ばしいことであります。

 

2007年に日本とのEPAが発効したチリ産のワインがこの10年で輸入量が5倍に伸びました。

こういった先例のように、安価な輸入品の流入によって、日本の消費者全体に大きな影響を及ぼし、消費が底上げされるなど、日本の景気の上昇も期待されることでしょう。

 

このように、今回のEPAは、外需内需ともに経済全体を上向かせる効果が期待されます

酪農産業への打撃

 一方デメリットして考えられるのは、欧州製品の流入による日本産業のダメージです。

特にダメージを受けると考えられるのは、日本の酪農です。

 

現在最大29.8%の関税が撤廃されれば、欧州から本場の安価なチーズが入ってくることによって、小規模経営の多日本の農家は非常に厳しい戦いが予想されることはまちがいないでしょう。

そして、国産チーズに対する打撃だけではなく、チーズのシェアが奪われた場合、使い道がなくなった北海道の生乳が飲用に流れ込むことでの乳価下落も懸念されています。

 

今後日本の酪農産業が競争力をアップさせることは不可欠であります。

そして政府としても、一定のサポートを行うことは必要となるでしょう。

 

保護主義台頭に対抗

そして、アメリカのTPP離脱や、イギリスのEU離脱など、自国産業優先の保護主義の台頭に対する、日欧の自由貿易を進めていくという強いメッセージという意味でも重大な意義を持つでしょう。

 

自由貿易の発展によってお互いの国の生産性の向上、活発な貿易によって豊かになる。

こういった自由貿易の理念に反する保護主義の動きが蔓延する中で、このEPAが大枠合意したことで、改めて自由貿易の機運が高まっていくことも期待されます。

 

そして日欧EPAによってアメリカの物が日本で不利な立場となることで、自由貿易の恩恵を受けるべく、米国の貿易に対する考え方の転換につながることも期待したいところです。

 

今後の交渉

今回はあくまで大枠での合意ということです。

 

企業と進出国との紛争処理など、今回先送りされたテーマについて、引き続き調整を行っていく必要があります。

 さらにこういった紛争処理手続きで合意が得られた後も、EU加盟28ヵ国全ての批准と承認が必要で、非常に時間がかかります

 

こういった手続きを迅速にこなし、一刻も早い協定の発効を期待します

 

終わりに

ということで、日欧EPAのメリットデメリット、一体なんぞやについてみてきました。

 

もちろん国内産業の不安もあるのですが、これを契機に、消費喚起が行われ、日本の景気がますます良くなることを期待しています。

 さらに今回の合意で、アメリカを除いたTPP11の交渉が加速されることも望みます。

そして、日本を先頭として自由貿易を拡大していくことが期待されるでしょう。

 

そして、今回この大枠合意の片隅で、いままで規制されていた福島産のお米の規制緩和を決定しました。

これは非常に喜ばしいことです。

 

こういった安倍首相の外交手腕を非常に高く評価します。

これからG20が開幕します。

さらなる成果を勝ち取って来てくれることを期待しています。