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前川前事務次官の会見で新たな事実は見当たらず 明らかにされたこととは[加計学園]

今日6月23日の夕方、前川前事務次官が会見をされましたね。

 

どんな発言、どんな新事実が出てくるんだろうと思って見ていましたが、拍子抜けの結果となりました。

ということで、簡単に見ていきたいと思います。

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新事実ゼロ

今日会見を全て聞きましたが、前川氏が今まで出てきていることに関してどう捉えているかという会見であって、あっと驚くような新しい情報は1つもなかったと言ってもいいと思います。

 

そして、前川氏は自分が加計学園に関して話せる事実、隠しているネタはもうないと仰っていました。

私は前川氏の証人喚問してもいいんじゃないか、と思っていましたが、抱えていることがもうないということであれば、証人喚問する必要はないのではと思ってしまいました。

 

総理からの指示を受けたことはない

大きな「事実」が新たに明らかにされることはありませんでしたが、詳しい話や、周辺の話、そして前川氏の思いについて聞けたのは良かったというように思います。

例えば記者の質問に答える形で、総理、官房長官、萩生田氏から指示を受けたことはないということを明らかにされています。

 

他にも萩生田官房副長官は頼りになる文教族の議員で、内閣府との調整役を期待していたこと、それを期待して文書に萩生田副長官が登場したこともあるのではないかということも、語っておられました。

 

これを受けた萩生田官房副長官は

「前川氏の記者会見の内容を肯定するわけではないが、少なくとも文部科学省が私を頼りにして相談に来たものであり、私の側から文部科学省に指示や働きかけをしたわけではないことが明らかになったのではないか」

「私はいわば受け身の立場で文部科学省から報告を受けていたにすぎず、加計学園の便宜を図るためにいかなる働きかけや指示を行ったこともない」

 とコメントしています。

 

この通りで、萩生田氏が積極的に関与したのではなく、むしろ文科省の方から萩生田氏を頼りにしていたということが前川氏の証言で明らかになったことでしょう。

萩生田氏はあくまで受け身の立場だったことが明らかになったことは、萩生田官房副長官の今までの証言を裏付ける意味もあるものだと思われます。

萩生田官房副長官「指示していないこと明らかに」 | NHKニュース

 

文科省がやるべきだったこと

そして前川氏は、文科省在職時代に加計学園に関してもっといろいろやるべきだった。しかしどうせ結論は変わらないと思い、何もしなかったと語っておられます。

 

これは、おっしゃる通りで文部科学省が本当に獣医学部の新設にNOというのであれば、その必要がないことを立証する必要があったことは間違いないでしょう。

それができなかったから、今回の獣医学部新設が認められることになっているわけですからね。

 

なんだか、農水省が文科省の要求に向き合ってくれなかったと泣き言のようなことを言っていましたが、農水省がGOを出したのならなおさら文科省に挙証責任があるということは間違いないことでしょう。

 

文部科学省が争ってもどうしようもない事態を、前川氏から見れば行政が歪められたと見るのかもしれません。

しかしながら、行政という大きな視点から見れば、文科省が規制の必要性を合理的に立証できなかったことで、文科省が歪めていた行政を法令に則り規制緩和によってただしたということを表しているようにも思えます。

 

内閣府と官邸は不誠実

そして前川氏は

「文部科学省は追加調査によって、一定の責任は果たしたが、内閣府と官邸は文書に書かれた内容を認めておらず、不誠実と言わざるをえない。内閣府と官邸は真相解明のため国民に説明責任を果たす必要がある。第三者による調査と検証を行うべきだ」

と主張されました。

文科省 前川前事務次官「第三者の調査と検証を」 | NHKニュース

 

これはおっしゃる通りだと思います。

第三者云々はおいとくにしても、内閣府の調査が文科省の調査と比べて不十分であることは明らかです。

文科省が調査した文書に関して、内閣府でも精査を行い、本当に内閣府の言っていることが正しいんだと立証すべく、内部のメモなどを探す努力をする必要は不可欠でしょう。

 

義家文科副大臣は職員に圧力をかけたわけではない

また前川氏は記者から、義家文科副大臣が「今回の内部告発が国家公務法違反に当たる」と発言し、職員に圧力をかけていると言って批判されている問題に関しても質問されていました。

 

前川氏は、義家文科副大臣は、役人が示すペーパーを読んでいたのであって、役人を脅すといった意図はないという見解を示されていました。

元役人という立場から、あの発言をみて圧力をかけたという印象を持っていないということがお聞きできたことは、義家文科副大臣に取っても良いことであったと思います。

「内部告発者処分の可能性」に対する的外れな批判 公益通報者保護法とは [加計学園] - 桜咲き誇れ

 

憶測の部分

前川氏の発言されたことのうち、特筆すべきは上記ぐらいだというふうに思います。

他に前川さんの憶測の域を出ない発言や今回の件と直接関係のないことについて一応見ておきます。

 

まずは、「萩生田副長官ご発言概要」というタイトルの新しく出てきた内部文書について、在職中に見たことはないが、優秀な課長補佐が書いたのだから聞き間違いなどはありえないと言って、文書の内容が事実だとおっしゃっていました。

 

ただこれは、現職時に見てないこともそうですし、優秀だから間違いないという、あくまで憶測の見解という域を出ないように思います。

そのような見たことのない文書を、憶測で事実だと言ってしまうことになにやら違和感を覚えたのは私だけでしょうか。

萩生田副長官「ご発言概要」文書。いま文科省がすべきこととは - 桜咲き誇れ

 

その他には、読売新聞が自らの出会い系バーへの出入りについて報道したのは官邸の関与があると思うと語っています。

その根拠としては、読売新聞からのインタビューの依頼があった直後に、文科省の職員を通じて官邸の人間である和泉首相補佐官から、会って話したいという連絡が来たことで、なんだか連動しているように感じたからだということです。

 

これまたあくまで前川氏の憶測に過ぎませんし、今回の加計学園問題の内容に直接関わるものではないと思うので、特に思うことはありませんでした。

別に出会い系バーに出入りしていたから前川氏の発言内容がどうこうということを言うつもりはありませんので。

 

終わりに

ということで、今回の会見によって新たに見つかった政府を困らせるような情報というのは特段なかったように思います。

私の思慮不足によるものかもしれませんが。

 

それより萩生田氏から関与していたのではなく、むしろ文科省から寄っていっていたということが明らかになったのは、萩生田氏の発言を裏付ける意味でも大きなものだったかと思います。

 

和泉首相補佐官がキーパーソンだということを仰っていましたが、それは以前の前川氏が発言しておられたことで、新しい情報というわけではないと思います。

朝日新聞は理性を失っているのか?「総理は言えないから私が」と首相補佐官が…前次官証言内容に問題はあるのか? - 桜咲き誇れ

 

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