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「天皇」と「天皇陛下」の違い 単なる敬称を超えた意味の違いとは 民進党がこだわった理由

最終更新日8月15日

 

昨日の議運で天皇陛下のご譲位に関する特措法の採決が行われ、無事可決されましたね。

本日衆議院本会議で採決されて、参議院に送られる予定です。

✴️追記 法案は成立しました。


そこで、今回は「天皇」と「天皇陛下」の違いは単なる敬称だけではないということと、民進党が「陛下」を抜くことにこだわった理由について見ていきたいと思います。

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天皇陛下から天皇に

 

今回の法案、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」というのが正式名称なんです。

しかし、衆参の正副議長がまとめたときには違う名前でした。

最初の名称は、「天皇陛下の退位に関する皇室典範特例法」だったんです。

これを、民進党の訴えによって、「陛下」を抜いて、「等」をつけたんです。

 

これを聞いたことがある人もいるかもしれません。

でも、なんだ民進党は陛下をぬいて、敬意が足りないなぁと思っている方もいるかもしれません。

しかし、ことの本質は全く違うのです。

 

「天皇陛下」と「天皇」の違い

「天皇陛下」は個人

天皇陛下というのは、現在の天皇に敬称を用いて使う言葉です。

今上陛下(今の天皇)のことを呼ぶ時は、天皇陛下というのが一般的に使われます。

今上陛下というのは、わかりやすく言うと、平成天皇個人を指すわけです。(平成天皇というのは、今使うのは正しくないのですがね)

つまり、天皇陛下というのは今上陛下一個人のことなんです。

 

「天皇」とは総称

対して、「天皇」というのは、敬称を言わない人たちが陛下を抜いて、現在の天皇のことを指すこともありますが、本質は違います。

天皇というのは、現在では日本国民統合の象徴たるその地位のことであり、一個人のことを指すわけではありません。

つまり、今までの初代神武天皇から、大正天皇•昭和天皇そして今上陛下に至るまでを総称して、「天皇」と呼ぶわけです。

 

結構知らない?

このことは、案外知らない人も多いみたいで、天皇の地位やその変遷を語っていて、議論しているような番組のコメント欄に、「陛下」をつけないなんて失礼だぞ。というコメントもいくつか見かけることがあります。

 

もちろん、今上陛下にも、「陛下」と呼ばない人はいるものの、そういった専門的な説明をしている場面では、「天皇」というのは、今上陛下個人のことだけではないので、別に失礼とかではないのです。

 

こういった、コアな番組のコメント欄にも知らない人の声があるということは、一般の人たちはほとんど知らないのではないでしょうか。

 

「将来の先例になりうる」の意味

ここまで、読めばだいたい民進党の主張したいことはわかっていただけたかもしれません。

そうです。

「天皇陛下」を「天皇」にすることで、今後の先例にしたいという思惑があったわけです。

 

最初の案や自民公明の与党は、今回限りの特別措置法であって、今後もしも天皇が退位されるときには、その時の状況に基づいてやればいいということで、特別措置法でやろうということです。

それで、一代限りの特措法なのですから、「天皇陛下」と最初の案ではなっていたわけです。

 

してやったりの民進党

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しかし、民進党はこれに反発して、今後の天皇がこれを参考に先例として、退位できるように「天皇」とするべきだと言ってもめました。

このことを受けて、今上陛下の退位に関わる法律について、喧々諤々議論している暇はないし、ということで受け入れました。

議運での質疑で、民進党の質問に対して、菅官房長官が「将来の先例になりうる」と言っていたのは、こういう経緯を踏まえてのことだったのです。

 

女性宮家を含む付帯決議もそうです。

はっきり言って、私はこれらの決定には不服です。

確かに、今上陛下の退位に関する法律に関して政局化するのを避けたいという、与党の考えも十分わかりますが、それを民進党に見透かされ、相手の要求を飲まされてしまったのです。

まぁ女性宮家に関しては、女性宮家等となった抵抗は評価したいですが。

 

とはいえ、民進党としては自分たちの思いを飲ませることができて、ホクホク顏でしょう。「女性宮家が入れられるとは思わなかった」という民進党議員の声もあるわけですから。

 

まとめ

  • 天皇陛下は個人
  • 天皇は総称

ということでした。

このことは、普通に暮らしていたら敬称をつけているかどうかの違いぐらいにしか思いませんし、今回の特措法の名前に、そういった深い意味が眠いっているというのはわかりませんよね。

  

皇室に関する、情報に関しては今後も書いていきたいと思いますので、なんだか面白そうだなと思ったら今後もぜひお願いします。

 

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